CRMとSFAの違いは何?導入で売上・顧客満足度を最大化する方法

本記事は2025/09/24に更新しております。
CRMとSFAの違いは何?導入で売上・顧客満足度を最大化する方法
「CRM」と「SFA」―どちらもビジネスの成長に欠かせないツールとして注目されていますが、その違いをご存じでしょうか?
両者の目的や機能を正しく理解し、自社に最適なツールを選定することが、売上アップや顧客満足度の向上を実現する第一歩となります。
本記事では、CRMとSFAの基本的な違いをわかりやすく解説するとともに、それぞれがどのような課題に効果を発揮するのか、具体的な導入事例を交えてご紹介します。

01

CRMとSFA、何が違う?基本的な役割と目的

ビジネスの現場では「CRM」や「SFA」といった言葉を耳にすることが増えましたが、これらの違いを正確に理解している方は意外と少ないかもしれません。両者はどちらも業務の効率化や情報の一元管理を支援するツールですが、その目的や活用範囲は異なります。

CRMとは? - 顧客を知り、関係を深めるための仕組み

CRM(Customer Relationship Management)は、日本語で「顧客関係管理」と訳されます。その名の通り、顧客との良好な関係を築き、維持することを目的としています。CRMでは、顧客の名前や連絡先といった基本情報に加え、過去の商品の購入履歴や問い合わせ内容、アンケートの回答など、あらゆる情報を一元的に管理します。これにより、顧客のニーズをより深く理解し、的確なタイミングで最適な対応が可能になります。

CRMの主な機能には、以下のようなものがあります。

顧客情報管理機能

顧客の氏名、連絡先、購買履歴、問い合わせ履歴、クレーム対応履歴などの基本情報を一元的に管理します。これにより、顧客ごとの状況をひと目で把握でき、担当者間での情報共有も容易になります。

顧客分析・マーケティング支援機能

収集した顧客データをもとに、顧客の好みや行動パターンを詳細に把握し、多角的な分析を行います。この分析結果は、ターゲット顧客に対して、より適切なタイミングで、ニーズに合った情報を届けるための基盤となります。

プロモーション管理機能

購買金額や頻度などの条件で顧客を抽出し、最適なターゲットにメルマガやDMを配信したり、クーポンを送信したりすることができます。  

問い合わせ管理機能

コールセンターやカスタマーサポート部門が対応した、クレームやサポート履歴も管理でき、顧客とのやり取りを一目で把握できるため、顧客対応の品質が向上します。  

メール配信機能

特定の顧客セグメントに対するメールマーケティングや、顧客の行動履歴に基づいたフォローアップメールの自動配信なども行えます。

CRMは、顧客を徹底的に理解し、その顧客に最適な対応やサービスを提供することで、より多くの優良顧客を確保し、顧客生涯価値(LTV:Life Time Value)を向上させることを目指します。LTVとは、顧客がある企業に生涯でどれだけの金額を使うかを示す指標であり、長期的なリピーターを増やすことが企業成長の鍵となります。

SFAとは? - 営業プロセスを強化し、成果を最大化するための仕組み

SFA(Sales Force Automation)は、日本語では「営業支援システム」と呼ばれます。その名の通り、営業活動に関連するデータやプロセスを可視化し、効率化するためのシステムです。
SFAの主な目的は、営業担当が顧客と商談を開始してから受注に至るまでの一連のプロセスを支援し、営業活動全体の最適化を図ることです。営業活動の生産性向上と売上向上を実現することに焦点を当てています。

SFAの主な機能には、以下のようなものがあります。

案件管理機能

見込み顧客のリスト化から商談進捗、提案・見積の履歴管理まで、個々の商談情報を時系列で一元管理します。これにより、案件の進捗状況を共有し、どの案件に注力すべきか方針を決めることで、売上の最大化や営業の効率化を支援します。  

顧客管理機能

担当者や社名だけでなく、問い合わせ履歴や過去の取引履歴などを一元管理し、過剰なセールスや営業担当の引継ぎミスなどを防止します。この機能はCRMの顧客管理機能と重複する部分もありますが、SFAでは「案件に基づく顧客管理」に重きを置きます。

活動管理機能

営業担当のタスク(テレアポ、お礼メール、スケジュール調整など)を可視化・管理します。

予実管理機能

営業担当ごと、チームごと、期間ごとなどに応じて売上予測を立てたり、売上見込みを管理したりします。

報告支援機能

日報や週報などの営業報告書作成業務を効率化します。

このように営業プロセスを「見える化」することで、属人化しやすい営業活動を組織的にマネジメントすることが可能です。さらに、「受注(成約)に至るまでのプロセス管理」を強化することにより、チーム全体で成果を最大化するのがSFAの特徴です。

目的と機能範囲の違いが一目でわかる!CRMとSFAの関係性

CRMとSFAは、機能の一部が重複しているものの、目的や活用される場面は異なります。違いをまとめると、以下の表のようになります。

項目 CRM SFA
主な目的 顧客との関係の強化 営業活動の効率化・標準化
利用対象 営業、カスタマーサポート、マーケティングなど 主に営業部門
主な機能 顧客情報管理、フォロー、分析 案件管理、営業活動の記録、進捗管理
得意なこと 顧客満足度向上、LTVの最大化 成約率の向上、売上予測、チーム連携
重なる領域 顧客データの共有、商談履歴の蓄積 顧客データの活用

CRMとSFAは完全に別のものではなく、一部の機能は重なっています。実際、連携して使うことでより大きな効果を得ることができます。

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なぜ「違い」の理解が重要?ツール選びの失敗を防ぐ第一歩

自社の課題や目的に合わないツールを選んでしまうと、導入効果が得られないばかりか、現場の負担増に繋がるリスクもあります。CRMとSFAは目的と機能範囲が異なるため、この違いを正しく理解することが、最適なツール選定の前提となります。
例えば、営業プロセスの改善が課題なのにCRMを導入しても、期待する効果は得にくいでしょう。逆に、顧客との長期的な関係構築が目的なのに、SFAだけを導入しても、顧客満足度向上には繋がりません。

導入の失敗は、コストの無駄だけでなく、従業員のモチベーション低下や業務の非効率化を招く可能性があります。

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こんな課題にはCRMが効く!CRM導入が効果的なケース

CRMは、顧客との長期的な関係構築に課題を抱える企業に、特に有効です。以下に、導入が効果的なケースを具体的に紹介しましょう。

ケース1: リピート顧客を増やし、長期的な関係を築きたい

CRMは、顧客の個人情報、購買履歴、問い合わせ履歴などを一元的に管理できるため、一人ひとりに合わせたマーケティングが可能です。収集した情報を活用・分析することで、ニーズに合わせた商品や質の高いサービスを提供でき、売上や利益の向上につながります。
例えば、購買金額や頻度などの条件で顧客を抽出し、最適なターゲットにメルマガやDMを配信したり、クーポンを送信したりできます。

これにより、顧客との信頼関係を築き、ロイヤリティを高めることで、リピーターの増加や購買金額の増加が期待でき、LTVの向上を目指せるでしょう。

ケース2: 顧客からの問い合わせ対応を効率化・高度化したい

顧客からの問い合わせ対応に時間がかかると、顧客満足度を下げる原因になります。CRMの問い合わせ管理機能を使えば、過去の問い合わせ履歴などを参照しながら顧客の状況を迅速に把握し、適切な対応ができるようになります。これにより、顧客の待ち時間を減らし、満足度向上に大きく貢献します。

コールセンターやカスタマーサポート部門が対応したクレームやサポート履歴も管理でき、顧客とのやり取りを一目で把握できるため、顧客対応の品質が向上します。

ケース3: 部署間での顧客情報の連携を強化したい

CRMツールを活用して顧客情報を一元管理することで、社内の連携を一層強固なものとします。営業、マーケティング、カスタマーサポートなど、複数の部署で顧客情報を共有し、一貫性のある対応を実現できます。
例えば、営業担当者が外出先で入力した内容を、別の社員がリアルタイムに確認できるようになり、スピーディーな情報共有と業務効率化につながります。

担当者が不在の場合でも、顧客情報を確認できれば、他のメンバーでもサポートが可能になります。

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こんな課題にはSFAが効く!SFA導入が効果的なケース

SFAは、営業活動における「ムリ・ムダ・ムラ」を排除し、組織としての営業力を高めたい企業に適しています。

ケース1: 営業活動の属人化を防ぎ、チーム全体の成果を底上げしたい

「ベテラン営業に頼りすぎている」「新人がなかなか成果を出せない」という企業では、営業ノウハウが属人化している可能性があります。SFAを導入することで、営業ノウハウや情報が個人に依存しがちな状況から脱却し、営業部門全体で情報や進捗状況を共有できるようになります。

これにより、担当者のスキルや仕事の取り組み方が標準化され、全体の底上げにつながるでしょう。新人の育成やノウハウ共有も加速し、誰でも一定水準の成果を出せるようになります。

ケース2: 案件の進捗状況をリアルタイムで把握し、取りこぼしを防ぎたい

SFAは、個々の営業担当者の活動や商談の進捗状況をリアルタイムで可視化し、チーム全体で共有可能なツールです。これにより、マネージャーは適切なタイミングでフォローや指導ができ、商談のボトルネックの特定と改善が容易になります。

案件のステータス、確度、次のアクションなどをデータとして蓄積・分析することで、より精度の高い売上予測を立てられるようになり、目標達成に必要なリソース配分が的確に行えます。

ケース3: 営業担当者の報告業務を効率化し、コア業務に集中させたい

SFAの報告支援機能は、日報や週報などの営業報告書作成業務を効率化します。一部項目の自動入力や、フォーマット化された報告書への入力により、営業担当者の負担を軽減し、マネージャー層が部下の業務を把握しやすくなります。

これにより、営業担当者は事務作業の負担が軽減され、より多くの時間を顧客との対話や提案活動といった本来の営業活動に集中できるようになるでしょう。

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自社に必要なのはどっち?CRMとSFAの選び方・判断基準

どちらのツールが自社に適しているのかを判断するためには、いくつかの視点が必要です。

判断基準1: 最も解決したい「課題」は何か?

まずは、「顧客との関係強化が最優先か」「営業活動の効率化が急務か」を明確にしましょう。例えば、「顧客満足度を向上させ、リピーターを増やしたい」のであればCRMが適しています。一方、「営業活動の属人化を防ぎ、売上予測の精度を高めたい」のであればSFAが有効です。

導入目的を具体的に定義することが、成功への第一歩となります。

判断基準2: 企業の「フェーズ」や「戦略」は?

企業の現在のフェーズや事業戦略も判断基準となります。例えば、新規顧客をどんどん獲得していくフェーズにある企業なら、SFAが適しています。一方で、既存顧客との関係を深めて、既存顧客からの安定的な売上を狙いたい企業は、CRMが適しています。

また、営業担当者の人数や役割分担も考慮し、例えば、少人数のチームであれば、コストを抑えつつシンプルな機能で迅速に導入効果を出せる、SaaS型CRM/SFAツールが向いているでしょう。

判断基準3: CRM/SFA統合型ツールや連携も視野に入れる

近年では、CRMとSFAの両機能を兼ね備えた統合型ツールも増えてきました。また、MA(Marketing Automation)と連携することも可能になっています。MAとは、見込み顧客の情報をもとに、デジタルチャネルを通じたマーケティング活動を自動化するツールです。これらを組み合わせることで、集客から育成、受注、フォローまで一貫した対応が可能になります。

但し、多機能過ぎると使いこなせないリスクもあるため、必要な機能を見極めることも重要です。

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【中小企業の成功事例】CRM/SFA導入でこう変わった!

実際にCRMやSFAを導入して成果を上げた中小企業の事例をご紹介します。いずれもリアルな課題を抱えていた企業が、ツールの導入によって大きな変化を遂げた事例です。

事例1:製造業A社(新規契約獲得率の大幅向上)

製造業のA社では、CRM/SFAの導入により、これまで対応しきれていなかった問い合わせ(リード案件)を特定し、成約確度の高い問い合わせ(リード案件)を優先的に対応することで、新規問い合わせ対応率が140%向上しました。さらに、営業管理と組織改革を組み合わせることで、新規契約獲得率が約4.2倍に増加しました。これは、SFAによる営業プロセスの最適化が売上向上に直結した好例です。

事例2:アパレル企業B社(顧客満足度と売上向上)

アパレルB社では、ECサイトと店舗の会員・ポイントシステムが分かれていた課題に対し、CRMを導入しました。顧客が得たポイントがオンラインと店舗で共通化され、会員ランクによるポイント制度も整備されました。これにより、ポイントサービスの利便性が向上し、顧客満足度と売上が向上。ECと店舗の情報を一元管理したことで、ポイント施策やクーポン配布をより効果的に実施できるようになりました。

事例3:観光業C社(問い合わせ対応の品質向上)

観光事業を手掛けるC社では、CRMとAIチャットボットツールを導入し、インターネットからの顧客の問い合わせ解決率を36%から50%まで向上させることに成功しました。これは、CRMに蓄積された顧客情報を活用することで、パーソナライズされた問い合わせ対応が可能になり、顧客満足度向上と業務効率化を両立した事例といえるでしょう。

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まとめ

CRMとSFAは、現代のビジネスにおいて売上と顧客満足度を最大化するための不可欠なツールです。CRMは顧客との長期的な関係構築とLTV向上に焦点を当て、SFAは営業活動の効率化と受注率向上を目的とします。
自社の課題や成長フェーズをしっかりと見極めたうえで、CRMやSFAの導入を検討することが、成果を最大化する第一歩です。場合によっては、両者を連携させることで、より強固な顧客基盤と営業体制を築くことも可能です。
最適なツールの選定と活用によって、貴社の売上と顧客満足度を着実に伸ばしていきましょう。

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この記事を書いた人

金田サトシ
国立大学を卒業後、外資系IT企業でSaaSアプリケーション(ERP/SCMなど)やセキュリティ系コンサルタントとして約15年の実績あり。ネットワークスペシャリスト、データベーススペシャリスト、情報処理安全確保支援士の情報処理資格を取得済み。自身の経験と体系的な知識をもとに、IT系全般をカバーするテクニカルライターとして、リアリティがありつつわかりやすい記事を多数執筆。
田中雅人(ITコンサルタント
監修
田中雅人(ITコンサルタント

ソフトウェアメーカー取締役、IT上場企業の取締役を経て、現在、合同会社アンプラグド代表。これまでに、Webサイト制作、大規模システム開発、ECサイト構築、SEM、CRM、等のWebマーケティングなど、IT戦略全般のコンサルティングを30年以上実施。現在は、大手上場企業から中小企業まで、IT全般のコンサルティングを行っているかたわらWebマーケティングに関するeラーニングの講師、コラム執筆なども実施。

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