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経費削減の基本的な考え方:何をムダと捉えるか?

経費削減とは、企業活動における支出を減らすための取り組み全般を指します。しかし、単に支出を減らすだけでなく、企業の価値創造がなされていないものは何かという視点を持つことが重要です。経費の種類と、削減に向けた基本的な考え方を確認しましょう。
経費の種類(固定費・変動費)と削減アプローチの違い
経費には大きく分けて固定費と変動費の2種類に分けられます。
・変動費:売上に比例して変動する費用(例:仕入、外注費、消耗品費など)
固定費は毎月一定の金額がかかるため、抜本的な見直しで大きな削減効果が期待できます。例えば、家賃は簡単に削減できませんが、リース料などは見直しが利きます。一方、変動費は業務の効率化や購入条件の改善によって削減することが可能です。
固定費と変動費を適切に分類し、それぞれの特性に合わせた削減アプローチを実行することで、効果的な経費削減が可能になります。
本当に 削減すべきムダとは?
経費削減というと、単に支出を減らすことを考えがちですが、本当に削減すべきはムダなコストです。ここでいうムダとは、企業に付加価値を生み出さないコストや非効率な業務プロセスによって発生するコスト、過剰な支出などを指します。例えば、誰も見ない報告書の作成、重複した作業、過剰な在庫などはムダと判断できます。
このようなムダを削減するためには、業務プロセス全体を俯瞰的に見直し、各業務が何のために行われているのか、本当に必要なのかを問い直す視点が重要です。業務の流れを可視化し、ボトルネックとなっている部分や企業に価値を生んでいない工程を見つけることで、経費削減へつなげられます。
【要注意】NG経費削減5選
短期的な経費削減効果だけを追求するあまり、長期的に企業の成長や競争力を損なうようなやってはいけない経費削減策もあります。次のような経費削減は企業にとってマイナスになりかねません。
・業務時間の削減
・業務時間を下げ、業務量を増やす
・安全性を軽視する
・教育や研究開発など将来への投資を過度に抑制する
削ってはいけないコストに注意しながら、継続可能な削減を目指しましょう。