経理の業務効率化に有効なツールやシステムの活用術

本記事は2025/12/23に更新しております。
経理の業務効率化に有効なツールやシステムの活用術
近年、ITツールやクラウドサービスを活用することで、非効率さを解消し、業務の効率化と精度向上を実現する企業が増えています。ただ、中小企業では、未だに手作業や紙ベースの処理が多く、非効率な業務に頭を悩ませている経理担当者も少なくありません。
本記事では、経理業務の悩みから、効率化の重要性、業務別の最新ツール紹介、導入時のポイントまでわかりやすく解説します。

01

月末月初の残業、紙伝票の山… 中小企業の経理部門が抱えるあるあるな悩み

経理部門の繁忙期といえば月末月初といわれ、以下のような課題が日常的に発生しています。

・【請求書の発行・受領】 紙の請求書の作成や受領に時間がかかり、紛失のリスクがある
・【経費精算】 手書きの申請書や領収書の確認に多くの時間を費やす
・【入金消込】 入金情報と請求書の照合が手作業で行われ、ミスが発生しやすい。
・【仕訳入力】 取引の記録を手入力で行うため、時間がかかり、ミスのリスクも高まる
・【決算作業】 大量の書類を整理し、正確な報告書を作成するのに多大な労力が必要

これらの業務は、手作業や紙ベースで行われることが多く、また、担当者しかわからないため属人化も進みがちです。そのため、担当者が不在になると処理が停滞するリスクもあります。こうした状況は結果的に生産性の低下を招いてしまいます。

TRIAL

まずは無料で
お試しください。
最大2か月トライアル可能
無償トライアル
導入に関するお問合せ 資料請求

02

なぜ経理の効率化が急務? コスト削減だけではない、その重要性

経理業務の効率化は、企業全体に様々な好影響をもたらします。まず、自動化の導入によって入力ミスや計算間違いが大幅に減らすことが可能になります。
さらに、経理データをリアルタイムで把握・分析できるようになることで、経営層は迅速かつ的確な意思決定を行えるようになり、経営全体のスピード感が向上します。
また、電子帳簿保存法やインボイス制度といった法制度の改正に対しても柔軟に対応できる体制が整い、法令遵守の面でも安心感が得られます。
そして、経理担当者は単純作業から解放され、本来の専門性を活かした戦略的業務に注力できるようになるため、個々のパフォーマンス向上にもつながるのです。

このように、経理の効率化はコスト削減にとどまらず、企業の生産性や競争力の向上にも直結する、極めて重要な取り組みといえます。

TRIAL

まずは無料で
お試しください。
最大2か月トライアル可能
無償トライアル
導入に関するお問合せ 資料請求

03

【業務別】経理の非効率を解消!最新ツール&システム活用術

経理業務は、多岐にわたり、作業の多くがルーティン化している一方で、正確性や迅速性が強く求められます。これらの業務を効率化するには、各業務に適したツールやシステムの導入が不可欠です。以下では、主要な経理業務ごとに非効率の要因と、それを解決するための具体的なツール・活用法をご紹介します。

<請求書発行・送付業務> クラウド請求書発行システム

請求書の発行・送付作業は、従来はExcelやWordでの作成したものをPDF出力しメール送付するか、印刷した用紙を郵送が一般的でした。しかし、郵送対応は手間がかかり、郵送ミスや送付遅延などのトラブルも発生しがちです。
郵送トラブルの解決方法として、クラウド請求書発行システムを導入することで、テンプレートによる請求書の作成や取引先への自動送信ができ、開封・未開封・入金済などの請求書のステータス管理が一元的に行えるようになります。

導入時は、取引先が電子請求に対応しているか確認しておくとよいでしょう。

<請求書受領・支払業務> 請求書受領サービス / インターネットバンキング / 法人カード

経理部門では、取引先から送られてくる請求書を受け取り、支払スケジュールを調整しながら、支払い対応を行う必要があります。この一連の作業は手作業が多く、業務負担が大きくなりがちです。
請求書受領サービスを利用すると、受領した請求書を自動的にデータ化し、システム上での支払処理や承認フローの管理が可能となります。

また、インターネットバンキングや法人クレジットカードを併用すれば、明細のデジタル管理が実現し、仕訳作業の自動化にもつながります。

<経費精算業務> クラウド経費精算システム

経費精算においては、従業員が提出する手書きの申請書や紙の領収書、管理者による承認、経理担当者による確認と仕訳入力など、多くの工程が存在します。特に、紙での運用は確認や保管にも手間がかかります。
クラウド経費精算システムを導入することで、スマートフォンから領収書を撮影して申請できるほか、交通系ICカードやクレジットカードのデータを自動で取り込んで仕訳処理することが可能です。

経費の使用目的や金額の妥当性もシステム上でチェックできるため、不正防止にも効果的です。

<仕訳入力・記帳業務> クラウド会計ソフト

仕訳入力は経理業務の中心的な作業ですが、取引数が増えるほど、手作業での入力や確認作業の負担が増大します。加えて、入力ミスによる集計のズレや修正作業も発生しやすくなります。
クラウド会計ソフトを導入すると、銀行口座やクレジットカード、POSシステムと連携し、自動的に取引情報を取得・仕訳することができます。また、AIが過去の仕訳履歴を学習し、適切な勘定科目を自動で提案してくれる機能などを持つクラウド会計ソフトもあり、入力作業の大幅な効率化が期待できます。

リアルタイムで試算表や損益計算書の確認もでき、経営判断にも活用しやすくなります。

<入金確認・消込業務> 会計ソフト連携 / 消込自動化ツール

入金確認と消込作業は、売上の回収状況を正確に把握するために不可欠ですが、手作業で行うと非常に煩雑になります。特に、複数の入金を一度にまとめて行ったり、入金額が請求額と一致しなかったりする場合には、確認作業に時間を要します。
複雑化する課題に対し、インターネットバンキングと会計ソフトを連携させることで、入金データを自動取得し、請求情報とのマッチングを自動化できます。

さらに、売掛金管理に特化した消込自動化ツールを併用すれば、大量の入出金データも高速でかつ正確に処理でき、作業負荷が大幅に軽減されます。

<決算業務> 会計ソフト / 決算アウトソーシング

決算業務は、1年分の取引情報を集計、整理し、貸借対照表や損益計算書などの法定帳票を作成する重要な業務です。しかし、資料の不備や確認作業に時間を要し、期限内の対応が難航することも少なくありません。
クラウド会計ソフトを活用すれば、日常の記帳内容をもとに試算表を自動生成し、決算期に向けた情報整理を事前に進めることができます。また、税理士とデータをリアルタイムで共有することで、修正や確認のやり取りを効率的に行うことが可能です。

業務量が多い場合は、決算アウトソーシングの活用も視野に入れるとよいでしょう。

<定型作業全般> RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)

仕訳入力やデータ転記、照合作業など、手順が決まっていて繰り返し発生する定型業務には、RPAの活用が効果的です。RPAとは、あらかじめ設定されたルールに従って、ソフトウェアのロボットが人間の代わりに作業を自動で実行する仕組みです。
例えば、請求書データの取り込み、銀行口座との照合や仕訳作成、データ集計作業を自動化することが可能です。自動化にすることにより、人的ミスの防止、作業時間の削減、属人化の解消など多くのメリットが得られます。

RPA導入にあたっては、業務フローの見直しと、どの業務が自動化に適しているかを見極めることがポイントです。

TRIAL

まずは無料で
お試しください。
最大2か月トライアル可能
無償トライアル
導入に関するお問合せ 資料請求

04

中小企業が経理ツール・システムを選ぶ際の重要チェックポイント

中小企業にとって、経理ツールやシステムの導入は、業務効率化とガバナンス強化の鍵を握る重要な取り組みです。しかし、限られた予算や人員体制の中で、数多く存在するツールの中から自社に最適なものを選ぶには、様々な観点から慎重に比較検討する必要があります。以下に、選定時に押さえておきたい重要なチェックポイントを解説します。

Point1: 解決したい課題は何か?優先順位をつける

まず、重要なのは、現状の経理業務における課題を明確にし、それぞれの優先順位をつけることです。例えば、経費精算の承認に時間がかかっていたり、請求書発行業務で入力ミスが多かったりする現状があれば、そうした非効率な業務を洗い出し、解決に直結する機能を持つツールを検討するべきです。

課題を明文化することで、導入後の評価指標にもなり、ツール選定の軸がぶれにくくなります。

Point2: 既存会計ソフトとの連携は可能か?

新たに導入するツールが、現在利用している会計ソフトや勤怠管理システムなどとスムーズに連携できるかも重要なチェックポイントです。例えば、CSVによる手動連携しかできないツールとAPIによって自動連携が可能なツールとでは、作業負担やエラーの発生リスクに大きな差が出ます。

二重入力の防止やデータの整合性確保のためにも、事前にどのような形で連携できるかを確認しておきましょう。

Point3: 操作性に不便はないか?誰でも使いこなせるか?

ツールの機能が優れていても、実際に操作する社員が使いこなせなければ意味がありません。導入前には無料トライアルやデモ画面を活用し、UI(ユーザーインターフェース)のわかりやすさや、入力画面の構成、操作が直感的に行えるかを確認しましょう。

また、操作マニュアルやFAQ、チャットサポートの有無など、サポート体制の充実度も合わせて確認することが大切です。

Point4: コストは予算内か?費用対効果は見込めるか?

ツールの導入にはイニシャルコストやランニングコストがいくらかかるか確認することが重要です。単に価格の安さだけで判断せず、システム導入によって業務時間がどれだけ削減できるか、人件費や外注費が削減できるかなど、総合的な費用対効果を見積もることが重要です。

場合によっては、多少コストがかかっても大幅な効率化が期待できるツールを選んだ方が、長期的に考えると利益につながるケースもあります。

Point5: 法令対応は万全か?(特に電帳法・インボイス制度)

電子帳簿保存法の改正やインボイス制度など、経理業務には常に最新の法令対応が求められます。導入を検討しているツールが、法令に対応しているか、新しく法改正があった場合に対応できるのかも確認しておきましょう。

法令対応の遅れは最悪の場合、業務停止につながる可能性があるため、慎重にシステム導入が検討されます。

TRIAL

まずは無料で
お試しください。
最大2か月トライアル可能
無償トライアル
導入に関するお問合せ 資料請求

05

ツール導入だけでは終わらない!効果を最大化し、定着させる秘訣

どれだけ高機能な経理ツールを導入しても、現場が正しく使いこなせなければ、期待される効果は得られません。ツールを効果的に活用し社内に定着させるためには、導入前後の準備と運用の工夫が不可欠です。ここでは、経理ツールの定着と効果を最大化させる具体的な取り組みを紹介します。

導入前に業務フローそのものを見直す

ツール導入を検討する際には、まず、既存の業務フローを棚卸しし、非効率なプロセスや重複作業が存在しないかを見直すことが必要です。例えば、複数の承認フローや紙ベースの申請書など、ツールに適さない業務慣習がある場合、せっかくツールを導入しても業務の効率化は実現できません。

ツール導入を機に、業務プロセスそのものをシンプルかつ標準化することで、導入効果がより高まります。

関係者への丁寧な説明とトレーニング

経理ツールは、経理担当者だけでなく、営業部門や現場スタッフなど複数の部署が関与するケースがほとんどです。そのため、各関係者に対してツール導入の目的とメリットをきちんと説明し、協力体制を作ることが大切です。加えて、導入時にはツールの操作に関する研修を実施し、現場で混乱が起こらないようにしましょう。

マニュアル以外に動画コンテンツなども準備しておくとよいでしょう。

運用ルールを明確にし、徐々に浸透させる

ツールの機能を効果的に活用するには、社内での運用ルールを明確に定めることが重要です。「いつ」「誰が」「どの画面を使って」「どのように入力し承認を行うのか」などのルールを定めることで、業務の標準化を目指せます。また、最初は限定的な機能からスタートし、現場の慣れ具合に応じて、活用範囲を拡大させるような段階的導入も効果的です。

小さな業務定着の積み重ねが、ツール定着の鍵となります。

TRIAL

まずは無料で
お試しください。
最大2か月トライアル可能
無償トライアル
導入に関するお問合せ 資料請求

06

まとめ

経理の業務効率化は、中小企業にとって業務負担の軽減と生産性向上を実現する鍵となります。クラウド会計ソフトやRPA、請求書管理ツールなどの最新ITツールやクラウドシステムを活用することで、手作業によるミスを解消できます。また、ミスを軽減させることで、今まで属人化していた作業が標準化され、経理担当がより戦略的な業務に集中できる環境を整えることができます。まずは、自社の課題を把握し、適したツールを導入することが、企業の未来を支える第一歩となることでしょう。

TRIAL

まずは無料で
お試しください。
最大2か月トライアル可能
無償トライアル
導入に関するお問合せ 資料請求

09

Slopebaseとは

バックオフィス業務の
支出管理を支援する、
支出管理クラウド

Slopebase スロープベース

※バックオフィス業務とは経理や総務、人事、法務、財務などといった直接顧客と対峙することの無い社内向け業務全般を行う職種や業務のこと

TRIAL

まずは無料で
お試しください。
最大2か月トライアル可能
無償トライアル
導入に関するお問合せ 資料請求

この記事を書いた人

金田サトシ
国立大学を卒業後、外資系IT企業でSaaSアプリケーション(ERP/SCMなど)やセキュリティ系コンサルタントとして約15年の実績あり。ネットワークスペシャリスト、データベーススペシャリスト、情報処理安全確保支援士の情報処理資格を取得済み。自身の経験と体系的な知識をもとに、IT系全般をカバーするテクニカルライターとして、リアリティがありつつわかりやすい記事を多数執筆。
佐藤大輔
監修
佐藤大輔

長年、経理業務に携わり、毎年の店舗の水道光熱費の使用料や過剰に使用している店舗への注意喚起などを促し赤字店舗の改革に努めた。また、企業のDX導入にも携わり、職員勤怠の電子化など、業務効率化を積極的に推進。現在は、企業コラム記事などを中心に年間100記事ほど執筆・監修を行っている。

人気記事

カテゴリ