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【課題別】明日から試せる!生産性向上の具体的施策13選
中小企業特有の課題に対し、特別なツールや大規模投資なしで、すぐに導入できる生産性向上施策を紹介します。
課題1:「見えない」業務の属人化・ブラックボックス化を解消する
業務の属人化は事業継続リスクを高め、組織全体の学習能力向上を阻害します。ノウハウの形式知化と情報共有で、組織の透明性と生産性を高めましょう。
【施策①】実用的な「業務マニュアル」の作成
対象業務を絞り、作業手順を写真や動画でわかりやすく可視化します。誰が処理しても、同じ品質の結果が得られる状態を目指します。
【施策②】情報共有ツールの活用
作成したマニュアルは共有フォルダやクラウドストレージに保管し、誰でもアクセス可能にします。業務スケジュール含め、リアルタイムな情報・ドキュメント共有を促進します。
【施策③】業務棚卸プロセスの導入
定期的な棚卸で、属人化した業務や非効率な業務を客観的に把握。チームで共有・議論し、相互理解を深め、改善策を特定します。
チェックリスト
- 重要度または教育コストの高い業務を特定したか
- 作業手順を写真や動画で簡潔にマニュアル化したか
- マニュアルをアクセスしやすい場所に保管・共有したか
- 共有カレンダーでスケジュールを可視化しているか
- 業務棚卸の仕組みを導入したか
- 棚卸結果をチームで共有・活用しているか
課題2:長時間労働の原因!非効率な働き方を改善する
無駄な業務や非効率なプロセスは、長時間労働とコスト増を招き生産性を低下させます。業務削減、会議効率化、定型作業の自動化・外部委託による改善が可能です。
【施策④】「やめることリスト」の作成
頻度を減らす・やり方を変える業務を洗い出します。成果に繋がらない慣習的な業務を特定し、組織全体で不要と感じたものは、やめることリストを作成したうえで、廃止を検討します。決定した業務は、随時、廃止していきます。
【施策⑤】会議運営ルールの標準化
目的不明確・長時間会議を撲滅。アジェンダとゴールの設定、時間厳守を徹底します。参加者を絞り、会議後は結論とネクストアクションを共有し、意思決定の迅速化を図ります。
【施策⑥】集中作業時間の確保
割り込みを排し、特定業務に集中する時間を意図的に確保。メールやチャットの通知をオフにする設定や、25分作業し5分休憩を繰り返すポモドーロテクニックを活用することで、個人の業務効率を高めます。
【施策⑦】定型業務の自動化・アウトソーシングの検討
反復の単純作業はRPA、専門業務は外部委託を検討し、高付加価値業務へ人材を再配置。費用対効果を試算し、段階的な導入でコスト削減と効率アップを目指します。
チェックリスト
- 「やめることリスト」を作成したか
- 会議にアジェンダと時間制限を設けるルールを徹底しているか
- 集中作業に取り組む時間を意識的に確保しているか
- 自動化や外部委託による効率化対象業務を検討したか
課題3:コミュニケーションロスをなくし、連携を強化する
情報共有の不足や認識のずれは、手戻りやミスの原因となり生産性を低下させます。円滑な伝達とチーム連携の仕組み構築が必要です。
【【施策⑧】ビジネスチャットの導入
チャットシステムを導入することで、タイムリーな情報交換で、コミュニケーションの速度と質を高めます。明確な活用ルール策定と適切な運用が鍵です。
【【施策⑨】報連相ガイドライン策定
「結論から伝える」「必要な情報を過不足なく」「5W1Hを意識する」といった共通認識が必要です。メンバーが相談したり、報告したりしやすい環境を構築します。
【【施策⑩】1on1ミーティングの定例化
管理職とメンバーの定期的な1on1で、個別の課題把握や信頼関係を構築。管理職がメンバーの話を傾聴し、支援する場として定例化します。
【【施策⑪】アサーティブコミュニケーションの実践
アサーティブコミュニケーションの実践も有効です。相手も自分も尊重しながら意見や要望を正しく伝えるアサーティブコミュニケーションは、ストレス軽減だけでなくお互いの理解も深まり、良好な関係性が築けます。
チェックリスト
- ビジネスチャットを導入し、活用ルールを定めたか
- 報連相の「質」を高めるためのポイントをチームで共有したか
- メンバーが安心して相談できる雰囲気作りを意識しているか
- 管理職とメンバーの1on1ミーティングを定例化したか
- アサーティブコミュニケーションを実践しているか
課題4:従業員の「やらされ感」をなくし、主体性を引き出す
指示待ちの姿勢は、創造性を抑制し、生産性を低下させます。業務の意義を明確にし、主体的に取り組める環境整備が重要です。
【施策⑫】目標設定とフィードバックによる動機付け
組織目標と個人目標を紐づけ、業務の意義を共有。達成可能な目標設定を行い、「小さな成功体験」を積み重ねることで、従業員の意欲を高めます。成果や挑戦した行動自体を承認・称賛することで、自信と主体性を引き出します。
【施策⑬】学習機会の提供とナレッジ共有
新しい知識・スキルの習得機会を提供し、従業員の自己成長意欲を高めます。多様な学習機会を提供し、学んだ知識を組織内で共有する仕組みを構築します。
チェックリスト
- 組織目標と個人目標を紐づけて共有しているか
- 業務の「Why(なぜやるのか)」を伝えているか
- 定期的にフィードバックを行っているか
- 成功体験を促す目標設定や承認・称賛をしているか
- 能力開発支援の機会を提供しているか