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【誰でもできる】業務プロセス「見える化」の具体的な3つの方法
「見える化」の本質は、実はとてもシンプルです。ここでは、今日からでも取り組める、業務プロセスを見える化するための3つの具体的な方法をご紹介します。
方法1:業務リストアップと棚卸し
まず着手すべきは、部署内に存在する全ての業務を洗い出し、一覧化する「業務の棚卸し」です。これは、業務改善における基盤となるプロセスです。
具体的には、まず各担当者が「日次・週次・月次」といったサイクルで行っている業務を全て書き出します。
次に、それらを一覧表にまとめていきます。この際、「業務名」「担当者」「業務の目的」「作業手順」「頻度」「所要時間」「使用ツール」といった項目を設けることで、後の分析を行いやすくなります。
さらに、このリストをもとに、担当者への丁寧なヒアリングを行いましょう。
この対話により、担当者自身も意識していなかった非効率な点や、改善のヒントが見つかることも多いです。
方法2:簡単な業務フローチャート作成
個々の業務を「点」として把握したら、次はそれらのつながりを「線」で結んで可視化します。そのために有効なのが、業務フローチャートの作成です。
このとき、最初から専門的なBPMN(ビジネスプロセスモデリング表記法)のような複雑な記法を使う必要はありません。手書きやExcelの図形機能を活用し、以下のような基本記号で、業務の流れを図式化してみましょう。
・四角(処理):具体的な作業(例:「請求書を作成する」)
・ひし形(判断):Yes/Noの分岐(例:「承認は必要か?」)
・矢印(流れ):業務の進む方向
・丸や楕円(開始/終了):プロセスの始点と終点
例えば、「経費精算プロセス」を図にした場合、「承認」や「差し戻し」などのステップが明確になります。このように業務の流れを図で捉えることで、文章だけでは見えにくかった業務のボトルネックがどこにあるのか、直感的に理解できるようになるでしょう。
図:経費精算のフローチャートの例
方法3:現場ヒアリングと観察
業務リストやフローチャートは、いわば業務の「設計図」です。しかし、実際の運用、つまり「現場の実態」と乖離しているケースは少なくありません。それを埋めるのが、現場でのヒアリングと観察です。
ヒアリングを行う際は、「問題を探すため」ではなく、あくまで業務を「より良くするための対話」であることを伝え、心理的安全性を確保することが大切です。「この業務で、最も時間がかかっているのはどの部分ですか?」といった具体的な問いかけを行い、現場担当者の本音や、管理者が見えていない課題を引き出しましょう。
また、実際の作業風景を観察することで、非効率な動線やツールの使いにくさなど、ヒアリングだけでは顕在化しない無意識レベルの問題点を発見できることもあります。
先入観を持たず、「なぜ?」を繰り返す視点が重要です。