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【「とりあえずExcelで…」は危険】Excelでの在庫管理の課題5選

導入のしやすさから在庫管理にExcelを活用している企業も少なくありません。しかし「とりあえずExcelで管理しよう」という考えで始めた在庫管理が、思わぬ落とし穴を生んでいるケースがあります。ここでは、在庫管理の課題について5つの観点で解説するので、参考にしてみてください。
課題①:リアルタイム性が低く、最新の在庫数がわからない
Excelによる在庫管理では、リアルタイムでの情報更新が困難という課題があります。一人がファイルを開いていると他の担当者は編集できないため、入力のタイミングがずれると今どれだけ在庫があるか分からない状態が頻発します。共同編集という機能もありますが、一部機能が制限されたり、同時編集時にエラーが出たりすることがあります。
具体的には、以下のような問題が懸念材料です。
・在庫表をコピーして別々に作業してしまい、どちらが最新版か分からなくなる
・複数拠点でのデータ共有にタイムラグが生じる
課題②:ヒューマンエラー(入力ミス・計算ミス・更新漏れ)の温床になる
Excelでの手入力には常にミスのリスクが付きまといます。実際の現場では「入力ミスで在庫がマイナス表示になった」「転記漏れで発注が遅れた」といった声も多く聞かれます。
主なヒューマンエラーの例としては以下のようなものがあります。
・計算式の設定ミスや破損 ・単位の間違い(個数と箱数の混同など)
・更新作業の忘れや遅れ
課題③:担当者しか分からない項目の発生
Excelは自由にカスタマイズできる反面、作った本人しか分からないという属人化が起こりやすいです。現場では担当者ごとにフォーマットを勝手に改変して使ってしまうケースも珍しくありません。
管理担当者の属人化により、以下の問題が生じます。
・作成者が退職すると修正もできないブラックボックス状態になる
・また、引き継ぎが不十分だと社内の誰にも扱えない状態になる
課題④:ファイルを探す手間が発生、同時アクセス不可など情報共有が非効率に
複数人でExcelファイルを共有することで以下のような問題が起こります。
・共同編集機能を使用しない場合、ファイルが開きっぱなしで編集待ちになる
・最新版のファイルがどれか分からない
これらのトラブルは日常業務の足かせになり、大幅な業務効率の低下を招きます。
課題⑤:適正在庫の把握や需要予測など、データの活用が困難
Excelは本来表計算ソフトであり、データベースのように大量データを継続的に扱うことには適していません。商品点数や取引履歴が増えると動作が重くなり、再計算に時間がかかるケースもあります。
また、蓄積されたデータを活用した以下の分析への対応も十分とは言えません。
・季節変動を考慮した需要予測
・商品別の回転率分析
・ABC分析による重要度の分類