資産管理ツールの選定や導入のプロセスを誤ると、せっかくの機能が使われずコストだけが膨らみ、失敗につながることがあります。そのため、手順に沿った慎重な選定が欠かせません。
ここでは、バックオフィス管理職が資産管理ツールを選定する際の5つの具体的なステップを解説します。
Step 1: 「誰が」「何を」「何のために」管理するのか目的を明確にする
まずは、自社での資産管理業務に関する課題を整理し、ツール導入の目的を明確にすることが重要です。対象資産はIT機器だけでなく、備品や固定資産も含めるのか、ライセンス管理が主目的か、あるいは情報漏洩対策などセキュリティ強化を重視するのかを定めます。
また、管理部門と現場の役割分担も具体的に決め、誰がどの情報を入力・更新するかを明確にすることで、導入後に誰も使わないような失敗を防げます。目的の明確化は、必要な機能や運用ルールを選定するうえでの基準となります。
Step 2: 現場の運用負荷を軽減する「自動化」の範囲を見極める
次に、どの業務を自動化するかを具体的に定義します。例えば、IT機器情報の自動収集やソフトウェアのインストール状況の把握など、現場の負担を減らすために必要な機能を洗い出すことが挙げられます。
手作業での更新が不要になる範囲を明確にしておくことで、運用定着率が高まり、資産管理ツールの導入効果を最大化できます。
Step 3: 他のバックオフィスシステム(会計、人事労務)との連携を視野に入れる
資産管理ツールは単体で利用するだけでなく、会計システムや人事労務システムと連携させることで、業務効率がさらに向上します。
具体的には、資産購入情報を会計システムと同期させることで経費処理が簡素化され、入退社情報と連動させることで端末の貸与や回収のフローを自動化できます。
Step 4: クラウド型かオンプレミス型か?自社のセキュリティポリシーと照らし合わせる
資産管理ツールには「クラウド型」と「オンプレミス型」の2種類があり、それぞれメリット・デメリットが異なります。バックオフィス管理職がツールを選定する際には、コスト・メンテナンス負荷・セキュリティの観点から自社に最適な方式を選ぶことが重要です。
クラウド型、オンプレミス型の特徴として、以下のような違いが挙げられます。
| 種類 |
コスト |
メンテナンス負荷 |
セキュリティ |
| クラウド型 |
・初期導入費が低め
・運用コストは月額課金で予算化しやすい |
ベンダーがシステム更新・保守を行うため負荷は低い |
基本的に高度なセキュリティ対策がされていて、自社で構築・運用する手間がない(セキュリティ対策内容の確認は必要) |
| オンプレミス型 |
・初期導入費が高い
・サーバー運用や保守費用が追加で発生 |
自社でサーバーやソフトウェアの保守・更新を行う必要があるため負荷は高い |
自社で完全にコントロールできる反面、コストがかかり、専門的なセキュリティ対策スキルが必要 |
クラウド型は手軽さと低コストが魅力で、基本的には常に最新のセキュリティ対策が施されていますが、セキュリティ対策内容などを確認する必要があります。一方、オンプレミス型は自社内での厳密なデータ管理が可能ですが、運用コストや負荷も増えるため、自社の運用方針や予算と照らし合わせて選ぶことが大切です。
Step 5: サポート体制と導入実績をチェックする
最後に、導入時だけでなく運用後のサポート体制を確認しましょう。問い合わせ対応やトラブル対応の速さ、教育資料の提供などが充実しているかがポイントです。
また、自社と同じ業種・規模の企業での導入実績があるかも確認すると、運用定着のイメージがつかみやすくなり、安心して利用できます。サポート力と実績の両面をチェックすることが、失敗しないツール選定につながります。