【完全版】中小企業の経費精算システム選び5つの鉄則!稟議を通す秘訣も解説

本記事は2026/05/19に更新しております。
中小企業の経費精算システム選び5つの鉄則!稟議を通す秘訣も解説

経費精算は、申請者・承認者・経理担当者いずれにとっても「業務上必要だから仕方がないが、手間がかかる面倒な作業」としてネガティブに捉えられがちです。ミスや差し戻しも発生しやすく、心理的負担も大きいといえるでしょう。

こうした課題を解決する方法のひとつが、経費精算システムの導入です。

本記事では、中小企業における経費精算システムの選び方から稟議の通し方、失敗を防ぐコツまで網羅的に解説していきます。

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経費精算システムがもたらす3大メリット

経費精算システムの導入により、煩雑な業務を効率化できるほかにも得られるメリットがあります。ここでは、代表的なメリットを3つ整理していきましょう。

メリット1:圧倒的な業務効率化

経費精算システムを導入すると、申請書の作成、承認、仕訳まで一連の手順を自動化でき、大幅な効率化につながります。

例えば、スマートフォンでの領収書の読み取りや承認、会計システムとの連携による自動仕訳機能などにより、作業時間の短縮だけでなく不備や差し戻しの減少も期待できます。

 

このように、申請者・承認者・経理担当者それぞれの無駄を省ける点が最大の魅力です。

メリット2:ペーパーレス化

経費精算システムを使えば、領収書や申請書をすべてデータで管理できるようになります。これにより、用紙代やトナー代といった目に見えるコストはもちろん、書類の保管スペースや書類管理にかかる時間も省けます。

 

さらに、ペーパーレス化によってリモートワークでも経費精算に対応できるようになり、働き方の柔軟性も高められるでしょう。

メリット3:不正防止とガバナンス強化

経費精算は、不正が発生しやすい業務のひとつですが、システム導入がその抑止力となります。

経費精算システムには、申請・承認履歴の自動記録に加えて、規定に違反した申請のブロック機能が備わっており、不正を働きにくい環境が整うためです。

 

また、法人カードや交通系ICカードとの連携機能を搭載したシステムも提供されています。現金決済が中心の企業であれば、キャッシュレス化も同時に進めると経費の使用内容をより明確に把握でき、ガバナンス強化の効果が高まります。

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経費精算システムは大きく分けて3タイプ

経費精算システムとひと口にいっても、標準搭載機能や拡張性は製品ごとにさまざまです。大まかな3つのタイプの特徴を押さえ、自社に合ったシステムを選びましょう。

タイプ1:多機能・オールインワン型

経費精算だけでなく、勤怠管理や稟議申請など、経費精算と関連の強い業務までまとめてカバーできるタイプです。

 

一方で、導入プロジェクトが大規模になりやすく、導入工数やコストがかさみやすい点がデメリットです。本当に必要な機能を見極めなければオーバースペックとなり、十分な投資対効果を得られないおそれがあります。

 

多機能タイプは経費精算のフローが複雑な企業や、大規模な効率化・DXを進めたい企業などに向いており、どちらかというと中規模~大企業に適しているといえます。

タイプ2:会計ソフト連携特化型

主に、会計システムのシリーズ製品として提供される経費精算システムです。

使用中の会計システムと同じ会社が提供する経費精算システムを利用すると、初期設定やデータの同期、証憑の共有が容易な点が大きなメリットです。

 

但し、他社システムとの連携に関しては制約を受けやすくなります。会計ソフトはA社、ワークフローはB社といった形で複数社の製品を併用している企業では、どこかでうまく連携できず、課題が生じる可能性もあります。

タイプ3:低コスト・シンプル型

「まずは経費精算業務だけを安価に効率化したい」という企業に向いている、必要最低限の機能に絞ったタイプです。

コストが安く機能が限られている分、操作もシンプルで直感的に使えるものが多い点が特徴です。

 

一方で拡張性が低く、将来的に周辺業務の効率化を進める際には対応しづらくなるおそれがあります。

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中小企業の経費精算システム選び5つの鉄則

大企業に比べて予算が限られやすい中小企業では、価格と機能のバランスを重視したシステム選びが重要です。ここでは、自社に適切な製品を選ぶために不可欠な5つの選定基準を紹介します。

鉄則1:機能|多機能よりも「ちょうどよさ」を重視する

多機能な製品は魅力的にみえますが、機能の多さよりも自社に必要な機能が過不足なく揃っているかを重視しましょう。

代表的な機能は、スマートフォンでの領収書読み取りや申請・承認、会計システムとの連携・自動仕訳、クレジットカードやICカードとの自動連携などです。

使わない機能の多さは操作性にも影響します。最初は必要な機能に絞って利用でき、後々拡張しやすい製品を選ぶとよいでしょう。

鉄則2:操作性|ITが苦手な社員でも迷わず使えるか

せっかくシステムを導入しても、従業員が使いこなせなければ効率化が進みません。ITスキルが低い社員でも直感的に操作できるシステムを選びましょう。

使いやすさを確かめるには、無料トライアルやデモの利用がおすすめです。

操作性の高いシステムを選ぶと、その後の研修やフォローにかかる負担も抑えられます。

鉄則3:料金体系|最低料金・追加料金を見落とさない

多くの製品は、1ユーザーあたり月額数百円としており、なかにはアクティブユーザーのみを課金対象とするシステムも提供されています。

このとき、最低利用料が設定されている製品に注意しましょう。例えば、最低利用料3万円のシステムを30人で利用すると1人あたり1,000円となり、やや割高になってしまいます。

 

そのほか、利用にあたりオプション料金が発生する機能やサポート料など、基本の月額料金に含まれない費用も含めて製品を比較検討しましょう。

鉄則4:連携性|使用中の会計ソフトと連携できるか

会計システムの導入を検討している場合やすでに利用中の場合は、システムどうしで連携できるかどうかも重要な選定基準です。

承認済みの経費を会計システムに自動仕訳・反映でき、経理担当者の入力作業や転記ミスを防げます。

 

ほかにも、給与計算システムや法人カード、交通系ICカードなどを使用している企業では、これらのツールと連携できるシステムの導入によりさらなる効率化を期待できます。

鉄則5:サポート|困ったとき本当に頼りになるか

社内にIT担当者がいない企業では、サポートの手厚さも注目すべきでしょう。

電話・メール・オンラインなど窓口の種類を確認するほか、経理担当者だけでなく全従業員を対象としたユーザーサポートがあると安心です。

 

サポート費用が別途生じるかもしれませんが、「IT担当を1人雇うより安い」と考えれば、投資価値があるでしょう。

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【稟議を通す秘訣】費用対効果の示し方

経費精算システムの導入を稟議で承認してもらうには、投資対効果(ROI)を数字で示せると説得力が高まります。

 

ROI(%)=利益÷導入費用×100

 

利益=導入前の人件費+消耗品費-導入後の人件費-導入費用、で算出します。

 

まずは、申請者・承認者・経理担当者が経費精算にかけている時間を洗い出し、人件費に換算しましょう。紙ベースの運用の場合は、用紙代やトナー代など消耗品費も計上します。

 

導入後の想定人件費については、Web上で公開されている経費精算システムの導入事例を参考に設定するとよいでしょう。

これらの数値をもとにROIを求め、プラスになれば投資対効果があると判断できます。

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失敗事例から学ぶ!経費精算システム導入の3つのポイント

せっかくシステムを導入しても、うまく運用できないケースがあります。

ここではよくある失敗事例から、定着させるためのポイントをみていきましょう。

ポイント1:目的を明確にして小さく始める

【失敗例】

コスト重視で目的が曖昧なままシステムを選び、期待した効果を得られなかった

 

【ポイント】

安さでシステムを選ぶと、業務改善に本当に必要な機能が搭載されていないといった事態に陥りかねません。

申請者・承認者・経理担当者のそれぞれの声を聞き、現場の課題を明確にしましょう。そのうえで優先度の高い課題1~3個に絞り、試験導入を経てから全社展開する流れが定着への道です。

ポイント2:シンプルな運用ルールの策定・マニュアル整備

【失敗例】

あれもこれもと大規模な改善を試みた結果ルールが複雑になり、従来の方法に逆戻りしてしまった

 

【ポイント】

ルールの見直しは欠かせませんが、複雑すぎると定着しづらくなります。

できるだけ無駄を削ぎ落としたシンプルで分かりやすい運用ルールを整備したうえで、マニュアルを作成して周知徹底しましょう。マニュアルはクラウド上で保存すると、誰でもアクセスできて便利です。

ポイント3:従業員への丁寧な説明

【失敗例】

反対意見に耳を傾けず強行的に導入を進めた結果、抵抗感を抱く従業員の士気が下がり、職場全体の雰囲気が悪化した

 

【ポイント】

これまでの仕組みを変更する際、特にITが苦手な従業員やベテラン層は抵抗感や不安を感じやすいものです。

導入目的やメリットを丁寧に説明し、理解を得て移行を進めましょう。

ITスキルに不安のある従業員には必要に応じて操作説明会やフォローアップ研修を実施し、1人も取り残さない姿勢が大切です。

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まとめ

手間や不備の多さが課題となりやすい経費精算は、経費精算システムの導入で効率化を期待でき、リモートワーク対応やガバナンス強化にもつながります。

課題を明確にしたうえで、自社に適した製品を選び、まずは小さな範囲で始めていくことが業務改善の近道です。「誰も取り残さない」姿勢で定着させていきましょう。

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この記事を書いた人

紗冬えいみ
金融ライター・Webマーケター。1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP保有。証券会社、公認会計士・税理士事務所での実務経験を持ち、個人の資産形成や、法人・個人の記帳代行、決算書や申告書の作成補助に携わる。ライター転身後は知識と経験を活かして投資・資産形成や経理の基礎に関する記事を多く執筆。紙媒体も含めて年間200記事以上を手がける。
監修
梶本卓哉(公認会計士、税理士)

早稲田大学卒業後、関東信越国税局採用。税務大学校を首席卒業(金時計)し、税務署法人課税部門にて法人税、消費税等の税務調査に従事。複雑困難事案の事績により署長顕彰。大手監査法人に転職後、製造業や不動産業をはじめ様々な業種の上場会社監査やIPO監査に従事。その後、中央官庁勤務を経て大手証券会社の引受審査部・公開引受部にてIPO業務に従事。現在は主に法人の税務顧問を務めており、スタートアップ支援に強みを有する。

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