01
収支改善の第一歩:現状を「正しく」把握しなければ始まらない

収支を改善するためには、現状の把握を第一に考えましょう。
現状を正しく認識できなければ、問題点がわからず、効果的な対処ができません。「早く何かしないといけない」と焦らず、まずは落ち着いて現状をつかむことが大切です。以下では、その具体的な方法を紹介します。
損益計算書(P/L)から「儲けの構造」と「問題箇所」を読み解く
損益計算書(P/L)の構造

会社の「儲けの構造」は、損益計算書を読み解くことで分かります。まずは次の3つの利益の意味を押さえましょう。
・営業利益:売上総利益から販管費(販売費および一般管理費)を引いた利益
・経常利益:営業利益に営業外収益を加えて営業外費用を引いた利益
それぞれの利益から、自社の問題を推測できます。
例えば、売上総利益が少ない場合には、次の問題が考えられます。
・売上が減っている
売上原価が膨らむ原因は、材料・商品の値上がりやロスの多さなどが考えられます。売上の減少は、商品やサービスの需要の変化や、時期や季節が関連している可能性があります。
営業利益が少ない場合は、販管費の使いすぎが考えられます。販管費を「人件費」「地代家賃」「減価償却費」といった科目ごとに細かく把握することで、何に余計なコストがかかっているのかを把握できます。
経常利益が少ない場合は、営業活動以外の費用が多過ぎることが考えられます。主に想定されるのは、支払利息などです。
キャッシュフロー計算書で「お金の流れ」の詰まりを見つける
損益計算書上では利益が出ているはずなのに、キャッシュ(お金)が足りないケースも少なくありません。その場合には、キャッシュフロー計算書を確認しましょう。
キャッシュフロー計算書とは、企業活動におけるお金の出入りを示す書類です。キャッシュフロー計算書で読み取れるキャッシュの流れには、次の3つがあります。
・投資キャッシュフロー:会社の将来に備えた投資活動のためのもの(設備購入支出など)
・財務キャッシュフロー:営業活動や投資活動を維持するためのもの(借入金収入・借入金の返済支出、株式発行収入・配当金の支払いなど)
事業の中心となる営業キャッシュフローは、3つのうちで特に大切です。営業活動でどれだけのキャッシュを生み出しているか、そのためにどれだけのキャッシュが動いているかという点は、事業の安定性や収益性を図るうえで重要な情報です。
中小企業には作成の義務がないため、会社によっては作成していないこともあります。
収支悪化の根本原因を特定するための深掘り分析
損益計算書やキャッシュフロー計算書で自社の状態をつかんだら、効果的な対策を取るための分析をしましょう。主な分析対象には次のものがあります。
・事業部門
・固定費・変動費
・損益分岐点
利益を確保する方法は、「売上の増加」と「コストの削減」のいずれかです。
売上を増やすには、商品・サービスや事業部門を分析し、今後成長する可能性のあるものを把握することが大切です。
コストを削減するには、固定費・変動費分析が有効です。無駄な費用がないか分析しましょう。商品・サービスや事業部門について採算性の低いものを把握し、テコ入れや縮小といった対策を取ることも有効です。







