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情シス担当者が「可能な限り触りたくない」システムが存在する企業は84.7%!~情シス実務担当者221人に“レガシーシステム”についてアンケート調査を実施~

本記事は2026/05/27に更新しております。
情シス担当者が「可能な限り触りたくない」システムが存在する企業は84.7%!~情シス実務担当者221人に“レガシーシステム”についてアンケート調査を実施~

〈 トピックス 〉

企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)が急務とされる中、その足枷となっているのが「レガシーシステム」の存在です。経済産業省が警鐘を鳴らす「2025年の崖」の真っただ中にある現在、システムの保守・運用を担う現場はどのような状況に置かれているのでしょうか。

 

そうした背景のなかで、ノーコード・クラウドデータベース「Slopebase(スロープベース)」を販売する㈱NTTデータビジネスブレインズでは、情シス実務担当者221名に対して、レガシーシステムが現場にもたらしている「心理的・実務的疲弊」の実態について、アンケート調査を実施しました。

 

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アンケート回答者:          情シス実務担当者:221人(全国)

アンケート回答期間:       2026/4/17-4/18

※すべての回答データではなく回答が有効なものデータを集計しています。

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アンケート回答者が勤務する企業の従業員数

アンケート回答者が勤務する企業の従業員数

02

アンケート回答者が勤務する部署の人数

アンケート回答者が勤務する部署の人数

【レガシーシステムの実態】

まずは、情シス実務担当者の方々に、レガシーシステムが存在しているかどうか聞いてみました。

03

あなたが担当、あるいは関与しているシステムの中に、「可能な限り触りたくない」「改修要望が来ると憂鬱になる」と感じるものは存在しますか?

あなたが担当、あるいは関与しているシステムの中に、「可能な限り触りたくない」「改修要望が来ると憂鬱になる」と感じるものは存在しますか?

この回答では、なんと84.7%が「存在する」と回答しました。

8割の担当者が、特定のシステムに対して強いアレルギーや恐怖心を抱いていることがわかります。この背景には、「長年のツギハギ改修によるスパゲッティコード化」や、「一部を修正すると全く関係ない機能でバグが発生する(影響範囲が読めない)」といったレガシー特有の構造的問題があると考えられます。触るたびに予期せぬトラブルが起きるシステムは、担当者の心理的疲弊を著しく加速させます。

 

次は、その大きな要因と考えられるシステムのブラックボックス化について聞いてみました。

04

あなたの部署で運用している主要なシステムにおいて、設計書などのドキュメントと実際のプログラム(実態)は一致していますか?

あなたの部署で運用している主要なシステムにおいて、設計書などのドキュメントと実際のプログラム(実態)は一致していますか?

「ほぼ完全に乖離している(43.9%)」と「ドキュメントは存在しない(5.6%)」を合わせ、半数近くが保守運用において致命的な状態に陥っています。「部分的に一致していない(29.1%)」を含めると、8割近くの企業で設計書が信用できない状態にあるようです。

 

前設問の「触りたくない」という心理の最大の要因がここにあります。ドキュメントが更新されていないため、担当者はソースコードを一行ずつ解読する「リバースエンジニアリング」のような作業を強いられます。このブラックボックス状態が、改修への憂鬱を生み出す根本原因となっているといえます。

 

次は、情シス担当者の退職リスクについて聞いてみました。

05

特定のベテラン担当者(あるいはあなた自身)が明日急に退職した場合、お勤め先のシステムはどうなる可能性がありますか?

特定のベテラン担当者(あるいはあなた自身)が明日急に退職した場合、お勤め先のシステムはどうなる可能性がありますか?

システムの属人化は、企業のリスクを孕んでいます。

「ベテラン担当者が明日急に退職した場合のシステムへの影響」については、「一部のサブシステムやツールが回らなくなる恐れがある(59.8%)」に加え、「基幹システムを含む複数の重要システムが停止する恐れがある(15.6%)」という深刻な回答も寄せられました。全体の7割以上で、特定の個人に依存した綱渡りの運用が行われているようです。

 

特にレガシーシステムは古い言語や独自のフレームワークで作られていることも多く、若手への引き継ぎが困難です。ベテランの定年退職や予期せぬ離職が、そのまま「会社のIT停止」に直結するという爆弾を抱えた企業がいかに多いかということがわかります。

 

次は、こうした状況下にある情シス実務担当者のモチベーションについて聞いてみました。

06

既存システムの保守・運用業務を続けることで、ITエンジニアとしての市場価値が下がると感じますか?

既存システムの保守・運用業務を続けることで、ITエンジニアとしての市場価値が下がると感じますか?

「強く感じる(19.8%)」と「やや感じる(55.7%)」を合わせ、75.5%がキャリアへの危機感を抱いています。

現場のエンジニアは、AIやモダンなクラウド技術、新しい開発手法を身につけたいと考えています。しかし、日々の業務が「古いレガシーシステムのお守り」や「他人が書いた謎のコードの解読」ばかりでは、スキルセットが陳腐化してしまいます。このままでは、「レガシー対応しかできない人材」になってしまうという強い焦りが、モチベーションの低下や優秀な若手の早期離職(転職)を誘発する強力な要因となっていると推測されます。

 

次は、新たなツール導入で、手作業が増えたかどうか実態を確認してみました。

07

クラウド(SaaS等)導入に伴い、旧システムとのデータ連携のための「手作業(CSVの手動加工など)」は増えましたか?

クラウド(SaaS等)導入に伴い、旧システムとのデータ連携のための「手作業(CSVの手動加工など)」は増えましたか?

「劇的に増えた(18.4%)」「やや増えた(56.1%)」と、74.5%が手作業の増加を実感している結果となりした。

 

これは「部分的なDX」がもたらした皮肉な副作用と言えます。

 

例えば、事業部門が最新のSaaSを導入したものの、社内のオンプレミスのレガシーシステムにはAPI(連携機能)が存在せず、システム間を繋ぐことができません。その結果、「SaaSからCSVをダウンロードし、情シス担当者が手作業でExcel加工して、古い基幹システムにインポートする」というデジタルとアナログのハイブリッドな無駄作業が生まれます。

 

こうしたデジタルとアナログのハイブリッドな無駄作業が、実務担当者のリソースを圧迫している現状があるようです。

 

次は、システム障害時に復旧を最も長引かせている要因について聞いてみました。

08

システム障害時、復旧を最も長引かせている要因は何ですか?最も近いものを選んでください。

システム障害時、復旧を最も長引かせている要因は何ですか?最も近いものを選んでください。

「バックアップや復旧などの仕組みが不十分」52.4%、「属人化・ブラックボックス化により原因特定に時間がかかる」が18.4%、「ベンダー等の連絡や連携体制が整っていない」が14.6%という結果になりました。

 

レガシーシステムにおいては、現代のクラウドシステムのような「ワンクリックでの自動復旧(ロールバック)」や「冗長化」がなされていないケースが多く見られます。仕組みが不十分な中、ドキュメントも十分ではないため、障害が起きると「誰かが手動でデータを直し、コードのバグを徹夜で探す」という泥臭い対応を余儀なくされます。これが復旧の長期化を招いています。

 

次は、レガシーシステムの保守や障害対応の勤務状況について聞いてみました。

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システムの保守や障害対応による「休日出勤」や「深夜作業」は、月に平均どのくらい発生しますか?

システムの保守や障害対応による「休日出勤」や「深夜作業」は、月に平均どのくらい発生しますか?

「月に4回以上(ほぼ毎週)」が14.9%、「月に1~3回程度」が53.0%と約7割近くが、ある程度の残業や休日出勤を強いられているようです。

 

前述の「手作業の増加」「復旧の長期化」が、ダイレクトに担当者の労働時間を削っています。システム停止の影響を最小限にするため、レガシーシステムのメンテナンスやパッチ当ては深夜や休日に設定されがちです。「週末もいつアラートが鳴るか気が休まらない」という状況が月数回発生していることは、情シス実務担当者の肉体的・精神的な疲弊を極限まで高めており、早急な労働環境の改善が求められます。

 

最後に、レガシーシステム対策の進捗状況について聞いてみました。

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自社の「レガシーシステム対策(2025年の崖対策)」の進捗について、現場の実感として最も近いものはどれですか?

自社の「レガシーシステム対策(2025年の崖対策)」の進捗について、現場の実感として最も近いものはどれですか?

最後に「自社のレガシーシステム対策(2025年の崖対策)の進捗(Q11)」を聞いたところ、最も多かったのは「現場の努力でなんとか運用を回している(41.7%)」であり、さらに「対策が進まず現場は限界に近い(7.8%)」、「ほぼ対策はできている」と答えたのはわずか7.5%に留まりました。

 

「2025年の崖」という言葉は経営層にも浸透しつつありますが、現場の実態は「抜本的なシステム刷新」ではなく、「現場の気合と根性による延命処置」に依存している企業が圧倒的多数です。経営層は「DX銘柄」などを目指して号令をかけますが、予算や人材の確保が伴っておらず、現場だけがそのしわ寄せを受けて疲弊しているという構図が如実に表れています。

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まとめ

 

今回のアンケート結果を通し、レガシーシステムの存在が単なる「古いIT資産(技術的負債)」という問題にとどまらず、現場担当者の「心理的安全性」を脅かし、「肉体的・実務的な疲弊」を限界まで引き上げていることが明白になりました。

 

ドキュメントの存在しないブラックボックスを、市場価値の低下に怯えながら、少数のベテランが休日や深夜の身を削る対応でなんとか維持している——これが日本のIT現場のリアルです。この「属人化と気合の運用」は、遠からず担当者の休職や退職という形で破綻を迎え、企業に深刻なシステム停止(2025年の崖の現実化)をもたらします。

 

解決策は、現場への丸投げをやめることです。経営層はITインフラの刷新を「コスト」ではなく事業継続のための「最重要投資」と位置づけ直す必要があります。システムの棚卸しを行い、思い切って捨てるべきシステムは捨て、モダンなクラウド環境へと移行する。そして、エンジニアが「守り」ではなく「攻めのDX」に時間を使える環境を整えることこそが、急務だと言えるでしょう。

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Slopebaseとは

バックオフィス業務の
支出管理を支援する、
ノーコード・クラウドデータベース

Slopebase スロープベース

※バックオフィス業務とは経理や総務、人事、法務、財務などといった直接顧客と対峙することの無い社内向け業務全般を行う職種や業務のこと

 

監修
田中雅人(ITコンサルタント)

ソフトウェアメーカー取締役、IT上場企業の取締役を経て、現在、合同会社アンプラグド代表。これまでに、Webサイト制作、大規模システム開発、ECサイト構築、SEM、CRM等のWebマーケティングなど、IT戦略全般のコンサルティングを30年以上実施。現在は、大手上場企業から中小企業まで、IT全般のコンサルティングを行っているかたわらWebマーケティングに関するeラーニングの講師、コラム執筆なども実施。

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