業務フローシステムとは|導入で、Excelの弊害が解消し、「見える化・自動化」される6つのこと

本記事は2026/07/07に更新しております。
業務フローシステムとは|導入で、Excelの弊害が解消し、「見える化・自動化」される6つのこと

「請求書の確認はExcel、上長への確認はメール、最後は会計システムへ手入力」——こうした業務が部署をまたいで積み重なっている企業は少なくありません。

 

ひとつひとつは小さな手間でも、ファイルが「読み取り専用」で開けない、どれが最新版か分からない、といった細かな支障が積み重なると、担当者の負担は無視できない大きさになります。

 

この記事では、Excel運用に潜む9つの弊害を具体的に整理したうえで、業務フローシステムを導入することで実現できる6つの変化、そして代表的な5つの業務タイプ別に、導入後の改善イメージを紹介します。

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まずは結論!導入でExcelの弊害も解消し、承認も数字も「自動でわかる」ようになる

先に結論からお伝えすると、業務フローシステムがもたらす価値は「見えるようになること」と「自動で処理されること」の2つに集約されます。

 

具体的には、次の変化が期待できます。承認がどこで止まっているかすぐに分かるようになること、予実などの数値がリアルタイムに自動集計されて把握できるようになること、手作業で発生していたミスがほとんどなくなることです。

 

これに加えて、請求金額などの数値が自動計算されるようになること、承認後に自動的にメールが送付されるようになること、そして取引先からのメールが自動で通知されるようになることも実現します。

 

これらはいずれも、Excelとメールだけでは構造的に実現しにくい変化です。以下では、なぜExcel運用でこうした限界が生じるのかという背景から、失敗しない選び方、そして5つの業務タイプ別の改善イメージまで、順番に見ていきます。

 


課題ごとのページもありますので、併せてご覧ください。
➡分散したデータをデータ統合
➡レガシーシステムはそのままにクラウドを活用して「活かす」DXへ
➡脱エクセルでデータベースの安心を手に入れる
➡属人化をなくして業務プロセスとナレッジを統合
➡小さく始めて、大きく育てる失敗しない全社的DX


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業務フローシステムとは何か

業務フローシステムとは、社内外で発生する申請・確認・承認・データ登録といった一連の業務の流れを、あらかじめ設定したルールに沿って電子的に処理する仕組みです。稟議書や経費精算、見積書の承認、契約情報の管理など、部署をまたいで人の手を介していた業務を、フォームへの入力から承認、関連システムへのデータ連携までひとつの流れとしてつなぎます。

 

似た言葉に「ワークフローシステム」がありますが、指しているものはほぼ同じで、社内申請の承認ルートを電子化する仕組みという点は共通しています。

 

社内手続きにおいても、いまだに多くの企業でハンコや紙の運用が残っています。弁護士ドットコムは、電子契約サービス利用企業を対象にハンコの使用状況を調査しています。その結果、稟議書や議事録など社内手続きで用いる書類において、直近1年間で69.9%の企業がハンコの使用を経験したと回答しました(出典:弁護士ドットコム株式会社「電子契約利用企業の実態調査」

 

電子契約サービスを導入している企業でさえこの数字であることを踏まえると、社内の申請・承認プロセスは、対外的な契約書以上にデジタル化が後回しにされやすい領域だと言えるでしょう。

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Excel管理に潜む9つの弊害 なぜ「あと少し」の改善が進まないのか

Excelは手軽で自由度が高いツールですが、複数人が関わる業務プロセスの管理に使い続けると、次のような弊害が積み重なっていきます。

 

  1. 誰かが編集中だと「読み取り専用」で開いてしまい、確認したいだけなのに作業が中断することです。
  2. 似た名前のファイルが複数のフォルダやメールに散らばり、どれが最新版か分からなくなることです。
  3. 関数が入力されているセルが見た目では分からず、誤って上書きしてしまうリスクが常につきまとうことです。
  4. 誰がいつどこを更新したのかという履歴が残らず、内容が変わっていても原因を追跡できないことです。
  5. 共有ファイルのフィルタや並び替えを1人が変更すると、他の全員の表示にまで影響してしまうことです。
  6. 担当者ごとに入力の仕方が微妙に異なり、部署名や取引先名の表記ゆれが発生しやすいことです。
  7. 他の資料からコピー&ペーストした際に、罫線や書式が崩れてしまうことです。
  8. 設定していたプルダウンや入力規則が、セルのコピーや行の操作によって意図せず壊れてしまうことです。
  9. 行の挿入・削除を行った際に、数式の参照範囲がずれて、集計結果が誤った値になってしまうことです。

 

これらは一つひとつを見れば些細なトラブルですが、複数人・複数部署が関わる業務では毎日のように発生し、確認や修正のたびに担当者の時間を奪っていきます。

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業務フローシステム導入で実現できる6つのこと

こうしたExcel運用の弊害は、業務フローシステムに置き換えることで構造的に解消できます。ここでは、導入によって実現できる6つの変化を具体的に見ていきます。

 

  1. 承認がどこで止まっているかがすぐに分かることです。申請から承認までの各段階がシステム上に記録されるため、メールの受信履歴をさかのぼって確認する必要がなくなります。
  2. 予実などの数値がリアルタイムに自動集計され、把握できることです。申請・承認されたデータがそのまま集計対象になるため、週次や月次で改めて集計作業を行う必要がなくなります。
  3. 手作業で発生していたミスがほとんどなくなることです。同じ情報を複数のフォーマットへ転記する工程そのものがなくなるため、転記ミスや入力漏れの発生源が減ります。
  4. 請求金額などの数値が自動計算されることです。単価や数量を入力すれば合計金額が自動で算出されるため、電卓やExcelの数式に頼った手計算が不要になります。
  5. 承認が完了した後に自動的にメールが送付されることです。担当者が個別に送付作業を行わなくても、承認完了と同時に次の関係者や顧客への通知が実行されます。
  6. 取引先からのメールが自動で通知されることです。受信箱を随時確認しなくても、必要な情報が届いたタイミングでシステムが担当者に知らせてくれます。

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失敗しない業務フローシステムの選び方~5つのチェックポイント~

数多くの業務フローシステムの中から自社に合うものを見極めるには、次の5つの視点でチェックすることをおすすめします。

 

チェックポイント1
承認ルートの柔軟性です。金額によって承認者が変わる、部門をまたいで合議が必要になるといった、自社特有の複雑なルールをノーコードで再現できるかを確認します。

 

チェックポイント2
既存システムとの連携性です。会計システムや販売管理システムなど、承認後のデータを流し込みたい先とAPIやWeb API経由で連携できなければ、結局は最後の入力だけ手作業として残ってしまいます。

 

チェックポイント3
操作性です。どれほど高機能でも、申請者・承認者が迷わず使えなければ定着しません。特に外出の多い営業担当者にとっては、スマートフォンからの申請・承認への対応も欠かせない条件です。

 

チェックポイント4
進捗の可視化です。どの案件が誰の手元で止まっているかを、担当者が催促しなくても一覧で把握できるかどうかは、日々の問い合わせ対応の負担を大きく左右します。

 

チェックポイント5
拡張性です。最初は経費精算や請求書処理など一部の業務から始め、効果を確認しながら見積書送付や契約管理、商談管理へと対象を広げていける設計になっているかも、長期的な運用を見据えるうえで重要な視点です。

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業務フロー改善|5つの業務タイプ別シミュレーション

ここからは、Excelとメールに依存しがちな5つの代表的な業務タイプについて、業務フローシステムを導入した場合にどのような改善が見込めるかを、業務フロー設計の知見をもとにしたシミュレーションとして紹介します。実在する特定の企業の事例ではなく、よくある業務パターンを類型化した改善イメージです。自社の業務に近いタイプがないか、参考にしてみてください。

請求書・領収書の受領から支払い依頼までを仕組み化するケース

請求書・領収書の受領から支払い依頼までを仕組み化するケース

 

営業担当者が受け取った請求書や領収書をExcelの支払い伝票に記入し、原本やPDFを上長へメールで通知するところから経理処理が始まる、という業務は珍しくありません。その後、経理担当者が過去の稟議を照会したうえで経理部長が承認し、最後に経理担当者が会計システムと電子帳簿保存法対応システムへ二重に入力するという流れになりがちです。

 

2024年1月以降、電子的にやり取りした請求書・領収書などの取引情報は電子データのまま保存することが義務化されており(出典:国税庁「電子帳簿保存法一問一答(電子取引関係)」、二重入力を放置すれば法対応の負担も増すばかりです。

 

これを業務フローシステムで仕組み化すると、担当者がPDFの内容を確認して起票・申請するだけで、上長承認、経理担当者確認、経理部長承認までが自動で進むようになります。承認後はWeb APIで連携した会計システムと電帳法対応システムへそのままデータが連携され、どの申請がどの段階で止まっているかも履歴からすぐに把握できるようになります。

見積書の作成から送付までを一気通貫にするケース

見積書の作成から送付までを一気通貫にするケース

 

Excelの見積管理台帳で見積番号を採番し、見積書をPDF化して台帳に概要を記入したうえで、メールで上長承認をもらうという流れになっているケースは少なくありません。

 

承認後は顧客へ送付し、そのうえで改めて案件一覧台帳へ記入する必要があり、複数のExcelファイルを行き来する手間が生じます。これを業務フローシステムで一気通貫にすると、担当者が見積情報を入力すると同時にワークフローシステムへ登録され、申請から上長承認・決裁者承認までが自動で進行するようになります。

 

承認完了後は送付指示ひとつで顧客にメール送付できる仕組みに変わり、申請ルートはあらかじめ設計されているため、担当者が申請した後は人の手を介さずに進んでいきます。

契約情報管理を自動化するケース

契約情報管理を自動化するケース

 

Webサイトから申し込まれた契約情報を扱う業務では、担当者がExcelの契約一覧へ内容を転記したうえで、社内担当者と申込者双方へ個別にメールを送るという運用になりがちです。

 

さらに、受注稟議への手動起票と販売管理システムへの二重登録も発生しやすくなります。データベースへの登録を起点に自動化すると、契約受付内容の通知や契約期限・更新の通知といった各種メールの自動発信、受注情報の自動稟議、販売管理システムへの自動連携までがひとつながりになります。

 

解約が発生した場合の契約情報のステータス変更も、データベース上で完結できるようになります。

商談管理と売上予実管理をリアルタイム化するケース

商談管理と売上予実管理をリアルタイム化するケース

 

商談管理と売上予実管理を複数のExcelファイルで行っている場合、問い合わせのたびに案件管理ファイル、売上管理ファイル、原価管理ファイルへそれぞれ記入し、そのうえで週次で損益管理ファイルへの転記と集計レポートの作成まで行うことになり、手間が重なりがちです。

 

データベースへの一括登録に切り替えると、使い回せる情報は自動で反映されるようになり、ファイルごとの表記ゆれや「読み取り専用」による作業中断もなくなります。週次で行っていた集計作業を経ることなく、ダッシュボード上でリアルタイムに予実を確認できるようになる点が、大きな改善ポイントです。

作業実施報告書の回収から支払処理までをつなぐケース

作業実施報告書の回収から支払処理までをつなぐケース

 

取引先・協力会社から提出される作業実施報告書を扱う業務では、月初になるとフォーマットの異なる報告書が取引先ごとにばらばらに送付され、営業担当者が目視で確認したうえで取引先へ個別に請求書発行を依頼し、メールで請求書を受領してから上長承認を経て経理へ支払依頼をするという流れになりやすいものです。

 

取引先がシステムに直接ログインして作業報告書を入力する運用に切り替えると、営業担当者への自動通知、画面上での確認、請求書発行依頼、請求書の受領までがシステム上でつながります。取引先ごとの金額も自動で集計され、その後は上長・経理担当者への承認フローに自動で進み、支払処理まで完結する仕組みに変わります。

 

これら5つのタイプに共通しているのは、いずれも「担当者が一度入力すれば、その後は人が介在しなくても自動で進んでいく」状態を目指せるという点です。業務の内容は経理・営業・契約管理とそれぞれ異なりますが、二重入力と手作業をなくすという発想は共通しています。

 

 

※本章で紹介した内容は、実在する特定の企業の事例ではなく、業務フロー設計における代表的な改善パターンを類型化して整理した仮想的なイメージです。

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よくある質問

Q. 業務フローシステムとワークフローシステムは同じものですか。
A. 呼び方の違いであり、指している内容はほぼ同じです。どちらも社内の申請・承認プロセスを電子化する仕組みを指します。一方で「業務フロー図作成ツール」は業務手順を可視化するための図解ツールであり、承認や入力の自動処理は行わない点で異なります。

 

Q. グループウェアに付属する簡易的な承認機能では不十分ですか。
A. 申請件数が少なく、承認ルートも単純であれば十分な場合があります。ただし、金額に応じて承認者が変わる、複数部門の合議が必要になる、会計システムなど他のシステムへのデータ連携が必要になるといった条件が重なる場合は、専用の業務フローシステムの方が運用しやすくなります。

 

Q. 導入にはどれくらいの期間がかかりますか。
A. 対象業務の複雑さによって幅がありますが、経費精算や請求書処理など単一の業務から始める場合は、要件整理から本稼働まで1〜2か月程度を目安に進める企業が多いようです。最初から全社の業務を一度に置き換えるのではなく、効果の見えやすい業務から段階的に広げていく進め方が現実的です。

 

Q. 既存のExcelの書式をそのまま使うことはできますか。
A. 製品によっては、既存のExcel書式を取り込んでフォームを作成できるものもあります。ただし、フロー化を機に承認段階そのものを見直すことで、より大きな効果につながるケースも多いため、既存の運用を前提にするか見直すかは事前に検討しておくとよいでしょう。

 

Q. 情シス部門の人手が少なくても運用できますか。
A. ノーコードで承認ルートを設定できる製品であれば、専任のシステム担当者がいなくても現場主導で運用できる設計のものが増えています。ただし、外部システムとの連携設定など専門的な作業が発生する場面もあるため、導入時のサポート体制は選定時に確認しておくことをおすすめします。

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まとめ

Excel運用には、読み取り専用による作業中断や表記ゆれ、数式のずれなど9つの弊害が積み重なりやすい傾向があります。

 

一方で、業務フローシステムを導入すれば、承認状況の可視化、予実の自動集計、ミスの削減、金額の自動計算、承認後の自動送付、取引先メールの自動通知という6つの変化が期待できます。

 

5つの業務タイプ別の改善イメージが示すように、経理・営業・契約管理などそれぞれ異なる業務でも、二重入力と手作業をなくすという発想は共通しています。選定時は承認ルートの柔軟性や既存システムとの連携性、操作性、進捗の可視化、拡張性という5つの視点で比較することが、失敗しない近道になります。

こうした申請・承認とデータ連携の仕組みづくりに関心がある方は、ノーコード・クラウドデータベース「Slopebase」もぜひご覧ください。

 


経費精算や販売・購買管理、営業顧客管理といった業務データを一つの基盤でつなぐための実務情報を継続的に発信しています。以下の部署の方は、それぞれのページも併せてご覧ください。
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この記事を書いた人

Slopebase編集部
監修
田中雅人(ITコンサルタント)

ソフトウェアメーカー取締役、IT上場企業の取締役を経て、現在、合同会社アンプラグド代表。これまでに、Webサイト制作、大規模システム開発、ECサイト構築、SEM、CRM等のWebマーケティングなど、IT戦略全般のコンサルティングを30年以上実施。現在は、大手上場企業から中小企業まで、IT全般のコンサルティングを行っているかたわらWebマーケティングに関するeラーニングの講師、コラム執筆なども実施。

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