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なぜ今、棚卸の効率化が「経営課題」なのか?

棚卸はこれまで、現場に任せられた単純作業と捉えられがちでした。しかし、実際には人件費や残業代、在庫差異による損失など、企業の収益に直結する要素が多く潜んでいます。
効率化を後回しにすると、見えないコストが膨らむだけでなく、従業員のモチベーション低下や離職にもつながりかねません。そのため、棚卸を単なる作業ではなく「経営課題」として捉えていくことが必要です。
見過ごせない「コスト」の実態:人件費と機会損失
棚卸にかかるコストは、残業代だけではありません。通常業務を一時的に止め、全員で在庫確認にあたるため、その間の売上機会や顧客対応の遅れといった機会損失も発生します。
例えば、従業員50人が一斉に4時間の棚卸を行うと、200時間の人件費がかかります。そこに残業代を加えると、1回あたり数十万円規模のコストが発生してしまいます。多大な人件費の負担は決して軽視できません。
ヒューマンエラーが引き起こす「在庫差異」という負債
手作業で行う棚卸は、数え間違いや入力漏れといったヒューマンエラーが起こりやすくなります。わずかな差異でも積み重なれば、決算書の信頼性を損ない、監査対応に影響を及ぼすことが懸念事項です。
また、在庫差異は欠品による販売機会の喪失や、過剰在庫による廃棄コストの増加も招きます。単なる作業ミスが、企業全体の負債となります。
従業員エンゲージメントの低下と離職リスク
棚卸は定期的に発生する反復的な作業です。従業員にとっては、モチベーションを下げる要因にもなります。なぜなら、単純作業で気が緩んだり、深夜残業や休日出勤を伴う場合、疲労や不満が蓄積しやすかったりすることがあるからです。
さらに、「この作業はあの人しかできない」といった属人化が進めば、精神的にも肉体的にも負担が特定の人に偏り、離職リスクも高まります。人材不足が深刻化する中で、棚卸の効率化は、エンゲージメント維持の観点からも避けて通れない課題です。






