案件管理をExcelで行う方法(テンプレート付)|担当者ごとにシートを分けると起きる問題

本記事は2026/09/28に更新しております。
案件管理をExcelで行う方法(テンプレート付)|担当者ごとにシートを分けると起きる問題

営業会議で「この案件の今の状況は?」と聞かれるたびに、担当者へ確認しに行く。案件管理を担当者ごとのExcelファイルやシートで行っていて、全体の案件数や金額を把握するために、それぞれの情報を集めなければならない。集計のたびに各担当者からファイルを回収し、別のシートへコピーするが、項目の表記がばらばらで、そのままでは集計できない。手作業で直しているうちに、どれが最新の情報か分からなくなる。多くの部署でこのような問題に直面したことがあるのではないでしょうか。

 

本記事では、Excelで案件管理を行う際の土台となる項目設計、そのまま使えるテンプレート、担当者別にシートが分かれた場合に起きる問題、Excelから案件管理ツールへ移行する判断基準を解説します。

 

目指すのは、高度な仕組みではなく、1枚の表に集約し、全体を把握できる案件管理表を作り、シートが増えてしまう前に必要な対策を判断できる状態です。

01

まずは結論!案件管理表は「担当者ごとに分けない」ことが最大の設計判断

案件管理をExcelで行うなら、最初に注意すべきは案件を担当者ごとのシートやファイルに分けないという点です。関数の組み方や表の構成を決めることではありません。

 

担当者別に分けると自分の案件だけを表示できるため、入力する側は使いやすくなります。しかし管理者が全体を把握しようとした時に問題が生じます。5人の担当者がそれぞれシートを持つと、全体を集計するために5つのシートを参照しなければなりません。10人になれば10シートです。各担当者のシートをまとめる集計シート、さらにその集計を加工する中継ぎ用シートまで加わることもあります。

 

担当者が使いやすいように分けたものだとしても、いつの間にか全体を集計するための仕組みを追加しないと対応できなくなります。集計値が実態と合わなくなることや、担当者が休むと案件の状況を誰も把握できないような状態は避けなくてはなりません。

 

案件管理表では、担当者別に見せることと、担当者別にデータを分けることを区別する必要があります。表示を担当者別にして確認したい時は、シートを分けるのではなく、ひとつの一覧をフィルターで絞り込めば足ります。情報が一箇所に集約され、二重入力をなくしファイルのバージョン管理を徹底することが管理のしやすさの観点からも重要です。

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02

案件管理表に必要な項目と作り方

案件管理表を作るときにやりがちな失敗は、必要となりそうな項目を全て盛り込むことです。項目が増えるほど入力の負担が増し、入力されない項目が出てきます。その結果、表全体の精度が下がります。
本章では、管理したい情報と入力してもらえる情報のバランスを意識しながら、案件管理表の基本項目、ステータスと確度の設計、表記ゆれを防ぐ仕組みを順に見ていきます。

 

 

完成イメージ(案件管理表の列構成)

完成イメージ(案件管理表の列構成)

最低限そろえる項目

案件管理表の基本形として、次の項目をそろえます。

 

案件番号 案件を一意に識別する
顧客名 どの顧客の案件か把握する
案件名 商談の内容を識別する
担当者 誰が担当しているか把握する
金額 案件規模を把握する
確度 受注可能性を把握する
次のアクション 次に何をすべきか明確にする
期限 次のアクションの期日を管理する
ステータス 案件の現在の状況を把握する
更新日 管理表の情報がいつ更新されたか確認する

 

これらの中でも欠かせないのが案件番号です。顧客名や案件名だけで管理すると、同じ顧客の案件が発生した場合に、どの案件を指しているのか分からなくなります。案件番号があれば一意に識別でき、後から別のシステムへデータを移す際の基準にもなります。

 

また、次のアクションと期限は、単なる進捗確認のための項目ではありません。ステータスが提案中や見積提出済みであっても、次に顧客へ確認するのか、社内で価格を見直すのかによって必要な対応は変わります。案件の現在地だけでなく、次に何をするのかまで見える状態にすることが重要です。

ステータスと確度の設計

ステータスは自社の営業プロセスに合わせて設計します。例えば、初回接触から商談、提案、見積、最終調整、受注という流れなどです。ただし細かくしすぎると、担当者がどれを選べばよいか迷い、入力が滞る原因になります。管理者が知りたい粒度と、担当者が迷わず選べる粒度のバランスを意識しましょう。

 

確度も同様です。A・B・Cのような区分を使う場合は、担当者によって判断基準がぶれないよう定義を明確に決めておきます。Aは顧客から発注の意思が示されている状態、Bは具体的な提案や見積の段階、Cは商談しているが受注条件が未確定の状態、というように基準を明文化します。確度を担当者の感覚に任せてしまうと、表に数字が入っていても全体の見通しを比較できません。

入力規則とドロップダウンで表記ゆれを防ぐ

案件管理表を運用する際に、大きな問題になるのが表記ゆれです。担当者名が山田、山田太郎、営業部山田のように入力されれば、同じ担当者でも別の値として扱われてしまいます。ステータスも提案中、提案、提案済みのように表記がばらつけば、条件を指定した集計が難しくなります。

 

そこで、担当者やステータス、確度など入力値がある程度決まっている項目は、Excelの入力規則を使って選択式にします。別にマスタ用のシートを用意し、担当者名やステータスの候補を登録しておけば、選択肢を一元管理できます。重要なのは、自由入力を減らすことです。文章で記入する項目と選択肢から選ぶ項目を分け、入力のしやすさと集計のしやすさを両立します。

 

案件管理表+マスタシート+ドロップダウン入力のイメージ

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03

そのまま使える案件管理テンプレートと使い方

案件管理をExcelで始める場合、ゼロから表を作る必要はありません。案件を1件1行で管理できる形をまず作り、自社の業務に合わせて不要な項目だけを調整する方法が有効です。本記事で紹介するテンプレートも、案件を一元管理するという考え方をベースにしています。

 


案件管理表テンプレートを無料ダウンロード

このあと紹介する「案件一覧型」「案件進捗管理型」を1つにまとめたExcelテンプレートです。マスタ・入力規則・条件付き書式も設定済みなので、そのまま入力を始められます。

▶ 案件管理表テンプレート(Excel)をダウンロード


案件一覧型テンプレート

基本となるのは、1行に1案件を登録する一覧型です。案件番号・顧客名・案件名・担当者・金額・確度・ステータス・次のアクション・期限・更新日を横に並べ、案件を縦に積み上げていく構成にします。

 

案件一覧型テンプレート

案件一覧型テンプレートのサンプル画面(A001〜A003はダミーデータ)

 

この形式であれば、担当者別、確度別、ステータス別など、さまざまな切り口で確認できます。自分の案件だけを見たいときは担当者列のフィルターで自身の名前を選択し、今月受注できそうな案件の金額を知りたいときは確度Aで絞り込みます。ポイントは、担当者別のシートを作らなくても、担当者別に把握することはできるという点を理解することです。データそのものはひとつに保ったまま、表示だけを変えるのがこのテンプレートの考え方です。

案件進捗管理型テンプレート

案件の件数が増えてきたら、現在どこまで進んでいるかだけでなく、どこで止まっているかも確認できるようにします。そのために、ステータス、次のアクション、期限、更新日を組み合わせ、更新日からの経過日数が自動で分かるようにしておきます。

 

例えば、ステータスが見積提出済みのまま長期間更新されていない案件があれば、単に見積提出済みという状態だけを見るよりも、滞留している可能性に早く気づけます。条件付き書式を使って、更新が滞っている案件や期限を過ぎた案件を色付けして目立たせておけば、担当者や管理者が確認すべき案件も見つけやすくなります。

 

案件進捗管理型テンプレート

ステータス・次のアクション・期限・更新日から滞留案件を発見するイメージ

テンプレートを自社仕様に直すときの注意点

テンプレートを自社向けに変更するときは、以下の3点に注意してください。

 

● 不要な列はすぐに削除せず、まず非表示にする
数式や条件付き書式が設定されている列を削除すると、集計や表示が崩れる可能性があります。

 

● 集計用の数式が入っている列は、誤って上書きしないよう気をつける
手入力で書き換えてしまうと、自動計算が機能しなくなります。

 

● 担当者ごとにテンプレートをコピーして配布しない
この人はこのシートといった運用を始めた瞬間から、1枚で全体を管理できるテンプレートの利点は失われます。

 

担当者別にシートが分かれることで、実際にどのような事態が起こるのか、次の章で具体的な事例をもとに見ていきます。

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04

担当者別にシートが割れると何が起きるか

ここで、担当者ごとにシートを分けて運用を続けた結果、実際に何が起きるのかを、ある企業のExcelファイルの構造をもとに見ていきます。取り上げるのは、従業員約100名規模で情シス部門を持たない、建設リフォーム事業を行う企業の事例です。(守秘義務の観点から具体的な社名は公開できませんが、実際に支援した企業の状況をもとにしています)

 

ファイルは、担当者ごとの個別シートに加えて、集計表、一覧用のシート、中継ぎ用のシートなどを含む、計10シート構成にまで膨らんでいました。1シートあたり最大約197列、数百行という規模です。さらに、シートのあちこちに「#NAME?」や「#VALUE!」といったエラー値が残ったままでした。

 

ここで重要なのは、10シートあること自体が問題なのではないという点です。問題は、担当者ごとの管理を成立させるために、集計のために別の構造が必要になっていることです。

 

担当者別にシートが割れると何が起きるか

集計のための中継ぎシートが増えていく

担当者ごとにシートが分かれていると、全体の案件数や見込み金額を把握するために、それらをまとめる集計表が必要になります。しかし担当者ごとに項目の位置や入力方法が異なると、単純に集計するだけでは正しい結果が得られません。そこで各担当者のデータを一度整えるための中継ぎシートが作られるのです。さらに、その中継ぎシートを集計するためのシートが追加されることもあります。

 

こうして、担当者別シートから中継ぎシート、集計用シート、一覧・報告用シートへという流れが生まれます。一見きちんと仕組み化されているようにも見えますが、中継ぎシートは案件を入力する人からも、最終的な数字を見る人からも見えにくい場所です。そのため、数式が壊れていても発見されにくくなります。シートが増えることよりも、データの流れが見えなくなることが問題なのです。

数式エラーが放置され、集計が信用できなくなる

Excelでは、参照先のシート名を変更したり、行を挿入したり削除したりするだけで、数式にエラーが発生することがあります。特に複数のシートをまたいで集計している場合、ひとつの参照エラーが別の集計結果へ連鎖する可能性があります。

 

「#NAME?」や「#VALUE!」といったエラー値が一定数以上残っている表は、すでにそのファイルで集計された数値を信用できない状態にあると考えてよいでしょう。問題なのは、エラーが存在すること自体よりも、エラーがある状態のまま集計結果を意思決定に使い続けることです。どのデータを参照し、どのような計算を経てその数字になったのか説明できないのであれば、その数字はいったん立ち止まって点検する必要があります。

担当者が休むと案件の状況が誰にも分からなくなる

もうひとつの問題は、情報と人が直接結びついてしまうことです。担当者Aの案件はAファイルに、担当者Bの案件はBファイルにしかない状態では、Aさんが不在になったとき、Aファイルを見なければ案件の状況を把握できません。シートの構造や入力ルールが担当者ごとに異なっていると、他の人が見ても理解できない可能性があります。これは案件管理における属人化の典型的な事象です。

 

案件管理は、誰が担当しているかを明確にし、状況を把握することが目的です。担当者という属性を案件一覧のひとつの項目として管理すれば、担当者が変わっても案件そのものの情報は残ります。

 

この属人化への対策については、業務の属人化対策の記事でも詳しく解説しています。

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05

Excelからツールへ移行する判断基準と手順

ここまで読むと、Excelはやめて案件管理ツールを導入した方がよいのではないかと考えるかもしれません。しかし必ずしもそうとは限りません。案件数や担当者数が少なく、更新頻度も高くなければ、Excelでも十分に管理できます。Excelを使っていることが問題なのではなく、管理しづらい状態のまま構造を変えずに使い続けることを見直すべきです。

 

◆Excel継続・移行検討の判定チェックリスト

確認項目 Excel継続 ツール移行を検討
案件数・担当者数 ▢ 小規模な範囲でおさまっている ▢ 担当者・拠点をまたいで拡大している
ファイルの構成 ▢ 1つの一覧表で管理できている ▢ 担当者別・拠点別に分かれている
集計の状態 ▢ エラーなくすぐに集計できる ▢ 中継ぎシートやエラー値が残っている
更新頻度 ▢ 週次の会議で更新すれば足りる ▢ リアルタイムでの更新が必要
入力の実績 ▢ 一回の入力で完結している ▢ 同じ情報を別の表にも入力している

 

Excelで続けてよい条件と、移行を検討すべきタイミング

Excelで続けても大きな問題が起きにくいのは、案件数や担当者数が少なく、週次の更新で運用でき、社外とファイルを共有する必要がないようなケースです。この条件を満たしている間は、上述した担当者ごとにシートを分けない原則を守っていれば十分に運用できます。

 

一方、次のような状態が出てきたら、移行を検討するタイミングです。

 

● 担当者別、拠点別にシートやファイルが分かれている
● 集計のための中継ぎシートができている
● 数式エラーが放置されている
● ファイル名に最新、最終などが付き、どれが本当の最新版か分からない
● 案件情報を見積書や売上管理表など、別の表にも入力している

 

これらは案件数の多さだけで判断できるものではありません。案件が数十件程度でも、担当者ごとに別のファイルで管理し、毎週の集計に時間を取られているなら、運用方法を見直す価値があります。情報の持ち方がどれだけ複雑になっているかを確認することがポイントです。

移行するときの手順

Excelからツールへ移行するときは、現在のExcelの項目をそのまま新しいツールへ流用しないよう注意が必要です。長く使われてきたExcelには、誰も見ていない形骸化した項目が残っている可能性があります。

 

移行は次の順序で進めます。

 

  1. 現行ファイルにある項目をすべて棚卸しする
  2. 使われていない列を洗い出し、廃止する。そのうえで、顧客名や担当者名、ステータスなどの表記ゆれを修正し、マスタを整理する
  3. 一定期間Excelとツールを並行稼働させる。急に全廃するのではなく、入力のしやすさや集計の正確さを現場に実感してもらったうえで移行する

 

 

既存のExcelの複雑な状態をそのまま新しいツールに持ち込んでしまうと、入力項目が多すぎて定着しません。移行は、管理方法そのものを作り直す機会と捉えることが大切です。

社内に説明するときの論点

Excelからツールへ移行したいと考えたとき、Excelでは限界だからという説明だけでは、現場の合意を得にくいことがあります。長年運用してきた担当者はExcelを使い慣れており、限界という説明だけでは実際に何がどう困っているのかわからないからです。

 

そこで、新しいツールの方が便利という話ではなく、今の管理方法で実際に何が起きているのかを事実で示します。具体的には、集計にかかっている時間、実態と数字が食い違った回数、担当者不在時に案件が止まった件数という3点です。これらの事実を積み上げることで、ツール導入がすでに発生している損失を防ぐための投資として説明できます。

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案件情報の持ち方を見直した現場の例

担当者別のシート分割とは少し違う形で、情報の持ち方に課題を抱えていた現場の例を見てみましょう。

 

従業員約150名の金融系ソフトウェア開発を手掛ける企業では、総務部が2名という体制のなか、支店ごとにExcelファイルが分かれて管理されていました。そのファイルを営業部門から総務部門へやり取りする運用が行われており、ファイルが壊れるリスクが課題として挙げられていました。(こちらも守秘義務により社名は伏せていますが、実際にご相談いただいた内容をもとに構成しています)

 

この事例は、案件管理を担当者別に分けているケースとは少し異なりますが、問題の構造には共通点があります。情報がひとつの場所に集約されず、組織や拠点をまたぐたびにファイルが分かれていくことです。支店ごとにファイルを分けると、その支店の担当者にとっては扱いやすくなります。営業と総務でファイルをやり取りすれば、それぞれの部門が必要な情報を確認しやすくなるでしょう。ところが、全体を見ようとしたときに複数のファイルを横断して確認しなければならなくなり、ファイルが壊れると情報へのアクセス自体が難しくなります。

 

これはExcelだから悪いという単純な話ではありません。ひとつの情報を複数人が継続的に共有する仕組みとしてExcelを使い続けたところに問題があります。上述の担当者ごとにシートを分けて運用を続けた事例も同じ構造です。自分の案件を管理するための表としてExcelを使うのであれば合理性がありますが、経営管理や営業管理のために全体を横断して使うのであれば、情報の持ち方そのものを見直す必要があります。

 

このように、案件管理の改善ではExcelをやめるかどうかよりも先に、案件情報をどこに、どの単位で持つべきかを考えることが重要です。

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よくある質問

Q1.案件管理表に最低限必要な項目は何ですか?

A.案件番号・顧客名・案件名・担当者・金額・確度・次のアクション・期限・ステータス・更新日の10項目です。ただし、全ての企業に同じ項目が必要なわけではありません。管理したい項目を全て入れるのではなく、実際に更新できる項目に絞ることが重要です。

Q2.担当者ごとにシートを分けたほうが入力しやすいのではないですか?

A.入力するその作業だけを見れば、自分の担当分しか表示されないため、使いやすく感じられるかもしれません。しかし全体を集計する際や、担当者が変わった・不在になったケースを考慮すると、情報を一か所にまとめておいた方が管理しやすくなります。担当者別に見る場合は、案件一覧をフィルターで絞り込めば確認できます。担当者別に見ることと、担当者別にデータを分けることは、別の問題として考えましょう。

Q3.複数人で同時に更新するにはどうすればよいですか?

A.Microsoft 365を使ってOneDriveやSharePoint上にファイルを置くか、Googleスプレッドシートを使えば、複数人での同時更新が可能になります。ただし、同時編集が必要になるほどに、利用者が増え、更新頻度も高くなっているのであれば、Excelを使い続けること自体が適切かを検討してもよいでしょう。誰がいつ更新したのか、どの情報が最新なのかを把握できることも、同時編集と同じくらい重要です。

Q4.案件管理と顧客管理は同じ表にまとめてよいですか?

A.基本的には分けたほうが管理しやすくなります。顧客管理は企業や個人の基本情報を管理するもの、案件管理はその顧客との個別の取引の進捗を管理するものです。ひとつの顧客に対して複数の案件が発生するため、同じ表にまとめると、顧客の情報が案件の数だけ重複して入力されることになり、集計が崩れる原因にもなりかねません。顧客情報をひとつのマスタとして管理し、案件一覧から参照する構造にすると、重複も防げます。Excel顧客管理の限界とデータベース化も合わせてご参照ください。

Q5.Excelをやめたいのですが、現場が慣れているため反対されます。どう進めればよいですか?

A.Excelをやめることを目的にしないことが重要です。まず、今のExcelで何が問題になっているのかを整理しましょう。集計に時間がかかっている、数字の確認に手戻りがある、担当者が不在になると情報が分からないなど、現場が実際に困っている事実を共有することから始めます。今のExcel運用で困っていることをどう解決するかを示す姿勢が、現場の合意を得る近道です。入力項目を絞り、Excelより入力が楽になる状態を並行稼働の中で実感してもらうことが、定着の鍵となります。

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まとめ

案件管理をExcelで行う場合、まず意識したいのは、担当者ごとにシートやファイルを分けないことです。案件番号を付け、選択式入力を取り入れた案件一覧をひとつ作り、担当者別の表示はフィルターで実現すれば、全体を見ながら個別の案件も確認できます。担当者別シートが増え、中継ぎシートや複雑な数式が必要になり、エラー値まで放置されている。その状態は、集計された値の信用性が下がっている合図であり、案件管理の構造そのものを見直すタイミングです。

 

Excelからツールへ移行する場合も、現在の項目をそのまま持ち込むのではなく、現行ファイルを棚卸ししたうえで、集計にかかる時間や実態との乖離といった事実をもとに社内の合意を得ながら進めます。Excelかツールかという二択で考えるのではなく、案件情報を誰でも追える状態になっているかを基準に適切な管理方法を検討しましょう。

 


まずは、担当者ごとに分けない案件管理表から

本記事のテンプレートを使えば、案件番号・選択式入力・条件付き書式が設定済みの状態からすぐに始められます。

▶ 案件管理表テンプレート(Excel)をダウンロード


 

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Slopebaseとは

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※バックオフィス業務とは経理や総務、人事、法務、財務などといった直接顧客と対峙することの無い社内向け業務全般を行う職種や業務のこと

この記事を書いた人

赤峯豪
BtoB専門ライター。通信事業会社・大手IT企業で16年間、BPR(業務プロセス改革)や予算管理業務に携わる。在職中に独学で簿記2級を取得。DX・RPAを含むオペレーション改善を幅広く企画・実行。その後、売上高1,300億円規模の経営企画・予算管理業務に従事。ライター転身後は、BtoB向け記事、ホワイトペーパー、LPの執筆・制作を中心に手がけている。
監修
田中雅人(ITコンサルタント)

ソフトウェアメーカー取締役、IT上場企業の取締役を経て、現在、合同会社アンプラグド代表。これまでに、Webサイト制作、大規模システム開発、ECサイト構築、SEM、CRM等のWebマーケティングなど、IT戦略全般のコンサルティングを30年以上実施。現在は、大手上場企業から中小企業まで、IT全般のコンサルティングを行っているかたわらWebマーケティングに関するeラーニングの講師、コラム執筆なども実施。

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