製品によって差はありますが、共通して備わる機能を6つに整理します。自社の課題がどれで解決するのかを確認しながらお読みください。
申請フォームの作成
紙の申請書やExcelのテンプレートを、入力画面として作り直す機能です。必須項目の設定、選択肢の固定、数値の上限下限、添付ファイルの必須化などを設定できます。
入力ルールを画面側で強制できることが、Excel運用との大きな違いです。前掲の調査で「最新版がどれか分からなくなる」が30.6%だったように、Excelのテンプレートは配布した瞬間から複製され、少しずつ形が変わります。フォーム化すると、全員が常に同じ様式を使う状態を保てます。
承認ルートの設計と自動分岐
誰が、どの順番で承認するかを定義する機能です。実務では、単純な一直線のルートだけでは足りません。
- 金額による分岐(10万円未満は課長決裁、10万円以上は部長決裁、100万円以上は役員決裁)
- 部門による分岐(申請者の所属によって承認者が自動的に変わる)
- 条件による並行承認(法務と経理の両方の確認が必要な場合)
- 代理承認(承認者が不在のときに代理者へ自動で回す)
ルートを柔軟に設計する具体的な考え方は、承認ルートの設計と変更をスムーズに行う方法で詳しく解説しています。
進捗の可視化と督促の自動化
申請が現在どの承認者のところにあるのか、どれくらい滞留しているのかを一覧で表示する機能です。一定期間を過ぎた案件には自動でリマインドを送る設定もできます。紙やメールの運用で最も時間を奪われるのが、この「追いかける作業」です。支払期日が近づくたびに経理担当者が承認者へ電話やメッセージで確認して回る状況は、多くの企業で見られます。
履歴・監査ログの保全
誰が、いつ、どの内容を承認したかを記録として残す機能です。申請内容が差し戻された場合の修正履歴も保存されます。
この記録は内部統制上の証跡としての意味を持ちます。職務分掌が機能していること、金額に応じた決裁権限が守られていることを外部に示す材料になります。紙の申請書とメールの承認履歴が別々に保管されている状態では、証跡をそろえるだけで相当な手間がかかります。
外部システムとのデータ連携
承認された申請データを、会計システムや基幹システムへ渡す機能です。CSVによる出力・取り込みと、Web APIによる自動連携の2つの方式があります。
前掲の調査で二重入力の発生率が50.2%だったことからも分かるとおり、承認までを電子化しても、そこから先を手入力で転記していては効果が半減します。連携方式の考え方は、二重入力をなくすAPIデータ連携入門も参考にしてください。
スマートフォンからの申請・承認
外出の多い管理職が、移動中に承認できる状態を作る機能です。承認者が席にいる時間が短い組織ほど、滞留の解消に直結します。