私有車の業務利用を認める範囲は、雇用区分によって扱いが分かれます。そして、この線引きが費用に直結します。
前述の企業は、正社員が500名規模、準社員が1,800名規模という構成でした。対象者をどこまでとするかは、2026年8月時点で未確定です。
なぜこれが重要かというと、正社員のみなら500名分、準社員を含めれば2,300名分のアカウントが必要になるからです。4倍以上の差です。
先に決める3点
- 業務使用を認める雇用区分(正社員のみ/準社員を含む/個別許可制)
- 申請できる人の範囲(対象者全員か、月1回以上使用する人のみか)
- 承認者に必要なアカウント数
2について補足すると、業務使用を認められている人と、実際に毎月申請する人は一致しません。年に数回しか使わない人にまでアカウントを配るかどうかは、料金体系によって判断が変わります。
費用の試算は「総額と、その総額が何人分か」で行う
比較すべき料金体系は3つあります。
| 課金体系 |
費用の決まり方 |
有利になる条件 |
| ユーザー課金 |
利用者の人数 × 単価 |
対象者が少なく、全員が日常的に使う |
| 定額(ユーザー数無制限) |
人数・利用量にかかわらず一定額 |
対象者が非常に多く、利用も頻繁 |
| 従量課金 |
データ量や処理件数など、使った量 |
対象者は多いが、1人あたりの利用が少ない |
前述の9社のうち、別の企業(製造業・50〜100名規模)では、全社員にワークフローを使わせたいという要望がありながら、費用を理由に導入が進んでいませんでした。判断基準にしていたのは1人あたりの単価ではなく、総額の上限でした。
一方、同じ食品製造業の企業では、ユーザー数に依存しない料金体系のツールを月額二桁万円台で利用しているが、使い勝手が良くないため別のツールを検討しているという状況がありました。
この2つの事例から言えることがあります。ユーザー数無制限だから安い、とは限りません。人数に関係なく一定額がかかるため、対象者が少ない場合はむしろ割高になります。逆に、ユーザー課金でも対象者が少なければ総額は小さく収まります。
私有車の燃料費申請は、対象者が数百人から数千人規模になる一方、1人が出す申請は月に1件程度にとどまることが多い業務です。この条件では従量課金が有利になりやすいのですが、申請頻度が高い企業や、対象者が数十名にとどまる企業では試算結果が変わります。対象人数を先に決めてから、3つの体系すべてで試算してください。順序を逆にすると、比較の土台が揃いません。
アカウント数に比例して固定費がふくらむ構造の見直し方についてはSaaSの固定費が膨らむ企業がとるべき対策、具体的な料金体系については料金ページをご確認ください。