進捗管理の見える化|ノーコードで複数の管理表を1つにまとめ表記ゆれ対策まで行う設計

本記事は2026/10/29に更新しております。
進捗管理の見える化|ノーコードで複数の管理表を1つにまとめ表記ゆれ対策まで行う設計

担当者がそれぞれ自分の管理表を持ち、案件ごとに依頼日や受領日を書き込んでいく。取引先から書類が届けば日付を入れ、手続きが済めば「済」と書き、状態はセルの色で塗り分ける。進捗管理の見える化に取り組む前のこうした運用は、書類や手続きの多い業務を複数の担当者で分担している部門でいまも珍しくありません。


 

この運用で特に手間がかかるのは、上長が全件の進み具合を確かめたいときと、担当者が休んだ日です。

 

管理表が担当者ごとに分かれているため、上長は1件ずつ担当者に声をかけて状況を聞くしかありません。同僚が代わりに書類を受け取っても、どの案件の書類なのか、次に何をすればよいのかがすぐには分かりません。

 

さらに、同じ「受領日」の欄に日付が入っている行と「済」とだけ書かれた行が混ざるような表記ゆれがあると、表を1つに集めても「まだ届いていない書類」などを絞り込むことができません。これは担当者の注意力の問題ではありません。1件の情報が担当者ごとの表に分かれ、書き方もそろっていない、日々の業務の進め方に原因があります。

 

この記事を読めば、自社の管理表をどう整理すれば進捗管理を見える化し、あわせて表記ゆれも防ぐ進捗管理のイメージがつくはずです。

 

本記事では、担当者ごとに分かれた管理表を1つにまとめ、進捗管理の見える化と表記ゆれ対策を行う際の課題とシステム設計について、書類や手続きの多い手配業務を想定して解説します。実例として、社用車リース業におけるリース車両の入替・納車・引取の進捗管理業務の設計を取り上げます。

 

なお、記載している業務内容および設計情報は架空のものではなく、弊社が実際に携わった複数の業務経験がベースとなっています。特定の企業や案件を識別できないよう一般化・再構成したうえで整理しています。

01

まずは結論!進捗管理の見える化は、担当者ごとに分かれた管理表を「1件1行」に集め、表記ゆれを防ぐことから始まる

担当者ごとに分かれた管理表で進捗管理の見える化を進めるにあたり、あらかじめ押さえておきたい結論は以下の3点です。

 

  1. 見える化すべき本質は「誰が担当しているか」よりも、「どの案件が、どの書類や手続きを待っているか」
  2. 今の管理表を「関連書類」「状態(ステータス)」「処理日」「付帯情報(契約台帳等)」の観点に整理してからツール選び
  3. 全員が1つの表で共同作業できる仕組みと、転記の削減や入力項目の表記ゆれを防ぐこと

 

それぞれの具体的な理由は以下の通りです。

 

1. 本質:知りたいのは「書類待ち」の状況
書類や手続きの多い業務の進捗は、取引先から書類が届いたか、手続きが済んだかでほぼ決まります。実際の設計検討で扱ったリース車両の手配業務では、管理表が55列あり、新車を手配する部分だけで日付を書く欄が16か所、決裁に必要な書類が8種類ありました。上長が知りたいのは「誰の担当か」というよりも「どの案件の、どの書類がまだ届いていないか」ということです。

 

2. 着手順序:今の管理表を4つの観点に整理してから、ツールを選ぶ
最初に手をつけるのは、今の管理表の列を「関連書類」「状態(ステータス)」「処理日」「付帯情報(契約台帳等)」の4つの観点に分け、それぞれにどんな値が入っているかを書き出す作業です。日付の欄に「済」が混ざっていないか、セルの色だけで状態を表していないかを確かめます。ツールを選ぶのは、この整理が終わってからで十分です。

 

3. 実現方法:全員が1つの表で共同作業し、転記と表記ゆれを入力の段階で防ぐ
担当者が自分の表ではなく、ノーコードの業務アプリ(Slopebase)上の1つの表に直接入力し、全員が同じ表で作業します。契約台帳から持ってくる情報は、契約番号を選ぶと自動で入るようにして、転記の手間をなくします。受領日の欄には日付しか入れられないようにし、手配の有無は「要・不要・手配済」から選ぶ形にします。進み具合は、書類が1つ届くごとに1段階進む段階をマスタ(選択肢の一覧を管理する表)として持ちます。実例では19段階にしました。表を1つに集めるだけでは、書き方がばらばらなままです。表記ゆれを入力の段階で防いで初めて、「まだ届いていない書類」での絞り込みができ、進捗管理の見える化が成り立ちます。

 

この進め方には、向いている業務と向いていない業務があります。

 

向いている業務
取引先から届く書類や手続きが多く、1件ごとに複数の日付を管理している業務、同じ業務を複数の担当者で分担し、上長が全件の状況を確かめる必要がある業務、元になる台帳から登録番号や名前を書き写している業務

 

向いていない業務
担当者が1人だけで、ほかの人が状況を確かめる場面がない業務、1件の進み具合が「未着手・対応中・完了」の3段階で足りる業務

 

業務概要イメージ

 

この記事で扱う範囲と、扱わない範囲

 

扱う範囲
担当者ごとに分かれた管理表を1つにまとめ、進捗管理の見える化と表記ゆれ対策を行う設計を、リース車両の入替・納車・引取の手配業務を実例に、管理表の列の分解から、データ構造の設計、項目の型と桁数までを、要件定義・基本設計の内容から整理します。

 

扱わない範囲
次のテーマはそれぞれ独立した記事にまとめているため、本記事では深追いせず該当記事へご案内します。

 

Excelでの進捗管理表の作り方とステータスの決め方
 →Excel進捗管理表の作り方(無料テンプレート付)

担当者ごとにシートを分けると起きる問題の一般論
 →案件管理をExcelで行う方法

共有ファイルの同時編集で起きる問題
 →共有エクセルの「読み取り専用」ストレスを解消!複数人入力の競合回避策

社用車の台帳に記載する項目と法令
 →車両管理表・車両管理台帳とは?

情報を1か所に持つ考え方とツールの分類
 →案件管理とは?ツールの選び方

マスタを一元管理する考え方
 →マスタデータ管理(MDM)とは?

02

課題の整理|担当者ごとに分かれた管理表で業務の進捗管理が見えなくなるとき

Excelで進捗管理表を作るときの一般的な注意点は、Excel進捗管理表の作り方で解説しています。ここからは、実際の設計検討で扱ったリース車両の入替・納車・引取の手配業務を例に、書類や手続きの多い業務で起きやすい2つの状況を整理します。

1台の入替に、新車手配37列と引取手配11列が同じ行に並ぶ構造

リース車両の入替は、新しい車両を手配する流れと、入れ替わる車両を引き取る流れの2つで1組です。実際の設計検討で扱った管理表では、1台につき1行を使い、新車手配に37列、引取手配に11列、納車・引取先の担当者の連絡先に4列、管理番号などに3列の、合わせて55列を表にしていました。

 

新車手配の37列には、仕様書の依頼日と受領日、見積書の受領日、注文書の送付日と請書の受領日、自賠責保険の送付日、任意保険の依頼日、車検証やリサイクル券、車両請求書、借受証、税申告書の受領日などが続きます。このうち8種類の書類には「決裁に必要な書類」を示す★印が付いていました。ETCやゴムマットなど6項目の付属品の手配と、車両に関する届出・申請も同じ行に入ります。

 

引取手配の11列には、入れ替わる車両の契約番号・登録番号・車名・契約満了日などと、引取日の案内日・受領日・引取日・時間帯が入ります。このうち契約番号や登録番号などは、別に管理している契約台帳(全車両リスト)から書き写していました。

 

1行の中で、取引先から届く書類の日付と、担当者が案内した日付と、台帳から写した情報が混ざっています。そのため、管理表を開いても「この車両は次に何を待っているのか」は、左から順に空欄を探さないと分かりません。この表が担当者ごとに分かれていれば、上長が全体をつかむには、すべての表で同じ作業をくり返すことになります。

同じ受領日の欄に、日付と「済」と文字列が混在する

管理表の書き方は、担当者ごとに少しずつ違っていました。同じ「受領日」の欄に、日付が入っている行、「済」とだけ書かれた行、「2025.3.18」のように文字で書かれた行が混在していました。納車の希望日の欄に「最短」、予定月の欄に「減車」と書かれた行もありました。引取がない車両は、「純増」と書くか「-」と書くかで分かれていました。

 

進み具合はセルの色で表していました。色は「調整中」「決定」「依頼済み」「未実施」の4種類です。色は人が目で見れば分かりますが、色で絞り込んだり、件数を数えたりする運用は続きません。

 

日付と「済」が混ざった欄は、並べ替えても絞り込んでも正しい結果になりません。担当者ごとの表を1つのファイルに集めても、書き方がそろっていなければ、上長は1行ずつ読んで判断するしかありません。これはツールの性能ではなく、日々の業務の進め方に原因があります。

 

業務フロー

03

解決策と手順|進捗を見える化する前に、管理表の列を関連書類・状態・処理日・付帯情報に分ける手順

ここからは、製品を選ぶ前に行う実務の手順を説明します。業務の進捗管理を見える化する方法の一般論ではなく、手元の管理表から何を書き出すかに絞ります。

55列を「関連書類」「状態(ステータス)」「処理日」「付帯情報(契約台帳等)」の4つに分ける

最初に、今の管理表の列を4つの種類に分けます。

 

関連書類
取引先とやり取りする書類の依頼日・送付日・受領日。実際の設計では、仕様書から契約書の返送までの日付の項目がこれに当たります

 

状態(ステータス)
付属品の手配や、届出・申請のように「必要かどうか」と「済んだかどうか」を管理する項目

 

処理日
納車の希望日、納車日、引取日など、取引先や納車先と調整して決める日付

 

付帯情報(契約台帳等)
車名、契約番号、登録番号、契約満了日など、契約台帳から持ってくる情報

 

4つに分けると、項目ごとに入れるべき値の種類が決まります。関連書類と処理日は日付、状態(ステータス)は選択肢、付帯情報は契約台帳からの参照です。今の管理表で、この種類と違う値が入っている列が、表記ゆれの出どころになります。

現物の管理表から差分表を作る手順とチェックリスト

次に、担当者ごとの管理表を並べて、違いを書き出した差分表を作ります。手順は次の3つです。

 

  1. 担当者全員の管理表を集め、列名と列の並びを1つの表に書き出す
  2. 列ごとに、実際に入っている値を10行ほど抜き出し、日付・文字・数字・記号のどれが入っているかを記入する
  3. 同じ意味なのに書き方が違う値(「済」と日付、「純増」と「-」など)を、1つの書き方に決める

 

差分表を作るときのチェックリスト
□同じ書類について依頼日と受領日など複数の日付欄があり、どちらで進み具合を判断するか決まっているか
□日付の欄に「済」「要」などの文字が混ざっていないか
□セルの色だけで状態を表している列がないか
□担当者ごとに、列の並びや列名が違っていないか
□契約台帳などから書き写している項目がないか
□引取がない車両のように、例外の書き方が担当者ごとに違っていないか

進捗管理を見える化する前に、値の種類と状態の段階を決めておく

差分表ができたら、項目ごとの型と、状態の段階を決めます。実際の設計では、関連書類と処理日の21項目を日付型にし、付属品の手配などの13項目を選択式にしました。進み具合は、セルの色の4種類から、書類が1つ届くごとに1段階進む19段階に置き換えました。段階の名前は「01_」「02_」のように番号から始め、一覧で並べたときに手配の順番どおりに並ぶようにします。

 

文字で入れる項目は、過去のデータから最大の長さを確かめて桁数を決めます。管理番号は最大15文字、納車先は最大20文字、車名は最大20文字としました。

 

◆検討チェックリスト
□同じ業務を2人以上の担当者で分担しているか
□1件の案件に、取引先から届く書類が3種類以上あるか
□上長が全件の状況を確かめる場面が定期的にあるか
□担当者が休んだ日に、同僚が代わりに書類を受け取る必要があるか
□元になる台帳から書き写している項目があるか
□金額や連絡先など、進捗の確認には使わない項目まで管理表に入っているか

 

◆システム選定のポイント
□日付・選択肢・数値など、項目ごとに入力できる値の種類を決められるか
□状態の段階をマスタとして持ち、あとから段階を追加できるか
□別の表(台帳)を参照して、登録番号や車名を自動で入力できるか
□データの登録や更新をきっかけに、別の表へ内容を自動で反映できるか
□進捗の確認に必要な項目だけを並べた一覧を作れるか
□1業務から小さく始められ、利用者数に応じた無理のない課金体系か

 


手配業務の進捗管理の棚卸しから始めたい方へ

 

本記事では、55列に分かれた管理表を、関連書類・状態・処理日・付帯情報の観点に整理するところから設計を始めました。どこから確かめるかを決めたい方へ、導入の可否を見極めるPoCの進め方をまとめた資料をご用意しています。

 

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04

設計の詳細|進捗管理の見える化と表記ゆれ対策はどこまで設計できるのか

ここからは、実際の設計検討で組み立てたデータ構造を紹介します。Slopebaseでは、伝票1件ごとのデータを入れる表を「トラン」、選択肢の一覧を管理する表を「マスタ」と呼びます。今回の設計は、トラン3本とマスタ5本、ディクショナリ(決まった値の一覧)1本で構成しています。

 

業務ポイント

契約台帳・納車引取管理・進捗管理の3本のトランで持つ層構成

1本目は契約台帳のトランです。リース中のすべての車両について、契約番号、登録番号、車名、リース期間、次回の車検日、車格(車両の大きさや種類の区分)、入替基準など41項目を持ちます。入替の対象を選ぶ元になる台帳です。

 

2本目は納車引取管理のトランです。1台の入替を1件として、新車手配と引取手配の両方を59項目で持ちます。Excelの管理表にはなかった、引取の有無を「引取」「新規」から選ぶ項目や、納車・引取先のメールアドレスなどを加えています。担当者全員が、この1本のトランに直接入力します。

 

3本目は進捗管理のトランです。納車引取管理のうち、状態と日付に関わる33項目だけを持ちます。金額や連絡先、車名や取引先の名前は含みません。上長や同僚は、この表を開けば全車両の書類待ちの状況を確かめられます。

 

マスタとトラン

 

1台の入替を1件で持つ納車引取管理の一覧

1台の入替を1件で持つ納車引取管理の一覧

 

出典:弊社のPoCで実装したSlopebaseの画面(一部の情報を伏せています)

オートコンプリートの利用で契約台帳からの転記作業を無くす

Excelの管理表では、入れ替わる車両の契約番号・登録番号・車名・契約開始日・契約満了日・次回車検日を、契約台帳から転記していました。今回の設計では、引取側の契約番号を契約台帳から選ぶ形にしました。契約番号を選ぶと、残りの5項目は契約台帳の値が自動で入ります(オートコンプリート)。転記の作業がなくなり、登録番号の写し間違いも起きなくなります。

 

契約台帳の中でも同じ考え方を使っています。車格を選ぶと、その車格の入替基準が車格マスタから自動で入ります。車格は大型バン、小型バン、トラック、雪上車など14区分で、入替基準は車格ごとに1つの値を持ちます。

日付型・選択式・マスタの3つで表記ゆれ対策を行う

表記ゆれ対策は、入力できる値を項目ごとに決めることで行います。今回の設計で使った方法は3つです。

 

日付型
書類の依頼日・送付日・受領日と、納車日・引取日などの21項目。日付以外は入力できないため、「済」や「2025.3.18」のような書き方は入りません

 

選択式
付属品の手配6項目は「要・不要・手配済」、届出・申請の3項目は「要・不要・済」、納車日の調整状況は「調整中・決定」、引取の有無は「引取・新規」から選びます。納車引取管理トランでは13項目が選択式です

 

マスタ参照
進み具合の19段階は管理ステータスのマスタから選びます。契約台帳の車種コード、燃料区分、メンテナンス区分、車格もマスタから選びます

 

一方で、納車ディーラーと整備工場の名前は文字列の項目として持っています。取引先の名前まで表記をそろえたい場合は、これらもマスタにする方法があります。

 

日付と選択肢で入力する納車引取管理の入力画面
日付と選択肢で入力する納車引取管理の入力画面

 

出典:弊社のPoCで実装したSlopebaseの画面(一部の情報を伏せています)

登録と更新のたびに、進捗管理のトランへ自動で反映する

進捗管理のトランには、人は入力しません。納車引取管理のトランにデータを登録すると、同じ内容が進捗管理のトランに1件追加されます。あとから受領日などを更新すると、進捗管理のトランの同じ1件も更新されます。この動きは、Slopebaseのデータフロー(登録や更新をきっかけに、別の表へデータを自動で反映する設定)で、登録時と更新時の2本を設定しています。

 

担当者は今までどおり1台ずつ情報を入力するだけで、上長と同僚が見る一覧は常に最新の状態になります。上長は、借受証受領済の項目で絞り込めば、「14_借受証受領済」まで進んでいない車両だけを一覧にできます。

 

書類待ちの車両だけを並べた進捗管理(トラン)の一覧
書類待ちの車両だけを並べた進捗管理(トラン)の一覧

 

出典:弊社のPoCで実装したSlopebaseの画面(一部の情報を伏せています)

見やすさを重視して、担当者が入力する表と上長が確認する表をあえて分ける

納車引取管理と進捗管理の2本のトランをあえて分けているのは、入力する担当者と、進み具合を確認する上長・同僚とで、見やすい表の形が違うためです。

 

納車引取管理には、車名や取引先、金額、連絡先、付属品の手配など59項目が並び、確認したい日付と日付の間に車両や契約の情報が挟まります。進捗管理のトランは33項目に絞り、ステータス、管理番号、納車先、納車日など進捗の確認に使う項目を前方に寄せ、そのあとに書類の日付を続けて並べています。横にたどるだけで、どの書類がまだ届いていないかが分かります。

 

2本のトランはデータフローで1件ずつ対応して保たれるため、担当者が同じ内容を2回入力することはありません。見やすさを重視するなら、担当者と管理者とで見る表をあえて分けることも、進捗管理の見える化では重要な設計判断です。

実際の項目例と、決めておくべき型と桁数

表1に、設計判断が読み取れる項目を抜き出しました。マスタは、桁数と区分の数を先に決めておくと、あとから値を足すときに迷いません。

 

表1 マスタ項目例

分類 名称 代表項目 項目タイプ 桁数/値域
マスタ 管理ステータス 管理ステータス(01_納車希望日確認済〜19_納車済) 文字列 15桁・19段階
マスタ 車格マスタ 車格/入替基準 文字列 7桁/2桁・14区分
マスタ 車種コード 車種コード 文字列 20桁・27区分
マスタ 燃料区分 燃料区分 文字列 5桁・6区分
マスタ メンテナンス区分 メンテナンス区分 文字列 7桁・3区分
ディクショナリ メンテナンスサイクル スケジュール点検・法定点検 ディクショナリ参照 7つの値
トラン 納車引取管理 書類の依頼日・送付日・受領日、納車日、引取日 日付 21項目
トラン 納車引取管理 付属品の手配 選択文字参照 要/不要/手配済
トラン 納車引取管理 引取有無 選択文字参照 引取/新規
トラン 納車引取管理 引取の契約番号 ユニークキー(契約台帳を参照) 契約台帳の契約番号
トラン 納車引取管理 引取の登録番号・車名・契約開始日など オートコンプリート 5項目
トラン 納車引取管理 管理番号 文字列 最大15文字
トラン 納車引取管理 契約月数 整数 0〜999

出典:弊社が設計検討した要件定義・基本設計の内容をもとに作成

 

契約台帳を参照する納車引取管理の項目定義
契約台帳を参照する納車引取管理の項目定義

 

出典:弊社のPoCで実装したSlopebaseの画面(一部の情報を伏せています)

05

判断基準の整理|見える化 進捗管理のツールを既製品にするか業務に合わせて作るかを分ける判断軸

新しい仕組みを社内へ提案すると、決裁者からは「今のExcelではだめなのか」「既製品ではいけないのか」と理由を求められます。ここでは、進捗管理の見える化の手段を選ぶときの判断軸を、比較した選択肢と、既製品で足りるケースに分けて整理します。

検討して外した選択肢と却下理由

実際の検討では、業務の課題に合う仕組みを展示会で探し、営業支援システム(SFA)や他社の業務ツールも比べたうえで、業務の課題に最も合いそうだったSlopebaseを選んでいます。そのうえで、同じような手配業務で一般的に比較されやすい選択肢を、費用・期間・機能範囲の3つの軸で整理すると次のようになります。

 

Excelのまま1つのファイルにまとめる案
費用はかかりませんが、複数の担当者が同時に入力すると、読み取り専用で開いてしまう問題が起きやすくなります。台帳からの自動入力や別の表への自動反映を関数で組むと、作った人しか直せない表になりがちで、機能範囲の面で今回の要件を満たしにくい選択肢です。

 

営業支援システム(SFA)を使う案
商談の段階を追う仕組みは整っています。一方、進み具合を管理する単位が「商談」と「顧客」で作られているため、1台の入替に新車と引取の2つの流れがあり、8種類の書類の受領日を追う業務に合わせるには、項目の追加や画面の作り直しが必要になります。機能範囲と期間の面で、合わせ込みの手間が大きくなります。

 

業務に合わせて作る案(ノーコード)
今の管理表の列をもとに項目を決め、日付型や選択式を項目ごとに設定できます。1業務から始めて、契約台帳などの関連する表をあとから足せます。今回はこの方式を選んでいます。

既製の車両管理システムで足りるケース

既製の車両管理システムで足りるのは、自社で保有する社用車の運行や点検、アルコールチェック、車両台帳の管理が目的の場合です。運転日報や走行距離、点検の時期を管理する機能は、既製品のほうが充実しています。社用車の台帳に何を記載するかは、車両管理表・車両管理台帳とは?で解説しています。

 

反対に、取引先とのあいだで多くの書類をやり取りし、その受領日で進み具合を判断する手配業務は、既製品の項目に合わせにくい業務です。判断の目安は次の4つです。

 

  1. 進捗の単位:1件の中に、取引先から届く書類が何種類あるか
  2. 入力する人:1つの表に何人の担当者が入力するか
  3. 参照する台帳:入力のたびに書き写している台帳があるか
  4. 見せる範囲:上長や同僚に、金額や連絡先を除いた進捗だけを見せたいか
  5.  

 

4つのうち2つ以上が当てはまるなら、業務に合わせて作る方式を検討する価値があります。

06

現場の声|手配業務の担当チームが挙げた、進捗が見えないことの負担

ここで紹介するのは社用車リース業の手配業務ですが、取引先から書類を受け取りながら複数の担当者で案件を進める業務であれば、業種が違っても同じ型の課題を抱えています。受発注の手配、入社手続きの書類回収、工事の書類管理などが近い例です。

 

検討を始めたきっかけとして担当チームが最初に挙げたのは、納車管理表を担当者ごとにシートで持っていることでした。管理する立場の人が、全員の進捗を横に並べて確認できません。同僚が業務を手伝おうとしても、どの車両がどこまで進んでいるのかが分かりません。あわせて、表記ゆれが多いことも課題として挙がりました。

 

それまでの対応は、上長や各メンバーに声をかけて確認する方法でした。確認するにも、確認したうえで対応するにも時間がかかります。担当者が席を外していれば、確認そのものが止まります。

 

担当チームが見直しに求めたのは、2つの点です。1つは、Slopebase上に全員が直接入力して全員のデータを1か所に集め、上長もメンバーも同じ画面で進捗を確かめられるようにすること。もう1つは、マスタや選択肢による入力の補助で、表記ゆれを減らすことです。設計の詳細で紹介した3本のトランと19段階の管理ステータスは、この2つの求めに沿って組み立てたものです。

 

仕組みを探す段階では、展示会で複数の製品を見て比べています。選ぶ基準は、機能の多さではなく、今の管理表で困っている点に合うかどうかでした。

 


自社の手配業務で同じ形が成り立つかを確かめる

 

本記事の設計は、製品を選ぶ前に業務を棚卸しするところから始まっています。同じ手順を自社に当てはめ、同じ形が成り立つ条件に収まるかどうかを一緒に確認するところからご相談いただけます。ご用意いただくのは、現在お使いの管理表のサンプルだけで構いません。

 

PoC相談


 

07

よくある質問

Q.進捗管理の見える化がうまくいかない原因は何ですか?

A.よくある原因は、表を1つに集めても、入力される値の書き方がそろっていないことです。日付の欄に「済」が混ざっていると、並べ替えや絞り込みが正しく働かず、結局は人が1行ずつ読むことになります。今回の設計では、書類の受領日を日付型にし、進み具合を19段階のマスタから選ぶ形にして、この問題を入力の段階で防いでいます。

Q.進捗管理の見える化はエクセルのままでもできますか?

A.1つのファイルに集め、入力規則で選択肢を決めれば、ある程度は見える化できます。作り方はExcel進捗管理表の作り方で解説しています。ただし、複数の担当者が同時に入力する場合や、台帳から登録番号を自動で入れたい場合、別の表に自動で反映したい場合は、Excelだけで続けるのは難しくなります。

Q.見える化しても見えない部分はありますか?

A.あります。一覧で分かるのは、担当者が入力した日付と状態までです。ディーラー側の作業がどこまで進んでいるかは、書類が届いて受領日が入力されるまで一覧には現れません。また、担当者が受領日の入力を後回しにすると、一覧の情報も遅れます。書類を受け取ったその日に入力する運用ルールを、あわせて決めておくことをおすすめします。

Q.ステータスは何段階に分ければよいですか?

A.業務によって違いますが、「誰かが次の作業を始められる区切り」ごとに1段階にするのが目安です。今回の設計では、書類が1つ届くごとに1段階進む形にし、「01_納車希望日確認済」から「19_納車済」までの19段階にしました。段階の名前を番号から始めると、一覧で並べたときに手配の順番どおりに並びます。

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まとめ

進捗管理の見える化でまず必要なのは、担当者ごとに分かれた管理表を1つの表に集め、入力できる値の種類をそろえることです。知りたいのは「どの案件が、どの書類を待っているか」であり、表記ゆれを防がなければ一覧で絞り込めません。今の管理表を関連書類・状態(ステータス)・処理日・付帯情報(契約台帳等)の4つの観点に整理し、日付型・選択式・マスタで表記ゆれ対策を行えば、上長と同僚は同じ一覧で書類待ちを確かめられます。ツールを選ぶのは、列の整理が終わってからで十分です。

 


進捗管理の見える化の業務構築について、資料と個別相談をご用意しています

 

本記事で紹介した業務概要・業務フロー・業務ポイント・マスタ設計は、弊社が複数のPoCで行った要件定義と基本設計の経験をもとに、一般化して再構成したものです。同じ形式で自社の業務を設計するとどうなるのか、資料でご確認いただくか、個別にご相談いただけます。

 

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Slopebaseとは

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Slopebase スロープベース

※バックオフィス業務とは経理や総務、人事、法務、財務などといった直接顧客と対峙することの無い社内向け業務全般を行う職種や業務のこと

この記事を書いた人

Slopebase編集部
監修
田中雅人(ITコンサルタント)

ソフトウェアメーカー取締役、IT上場企業の取締役を経て、現在、合同会社アンプラグド代表。これまでに、Webサイト制作、大規模システム開発、ECサイト構築、SEM、CRM等のWebマーケティングなど、IT戦略全般のコンサルティングを30年以上実施。現在は、大手上場企業から中小企業まで、IT全般のコンサルティングを行っているかたわらWebマーケティングに関するeラーニングの講師、コラム執筆なども実施。

 

 

免責事項
本記事に記載した業務内容および設計情報は、弊社の経験に基づき、社用車リース業のリース車両の入替・納車・引取の進捗管理業務を設計検討した内容にもとづき、特定の企業を識別できないよう一般化して再構成したものです。記載した効果および所要時間は、対象業務・データ量・運用体制によって異なります。掲載にあたり、企業名、部署名、取引先名、利用している製品・サービス名、車両の台数や担当者数などの規模を示す数値、金額の実額は掲載していません。掲載した画面はキャプチャ時点のものであり、一部の情報を伏せています。法令および会計基準に関する記述は、記事公開時点の情報にもとづく一般的な説明であり、個別の判断については所轄税務署または専門家にご確認ください。

 

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